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父さんと釣りにいった日(シャロン・クリーチ/クリス・ラシュカ/長田弘)

シャロン・クリーチの本では貸出中もいくつかあって、『ハートビート』『あの犬が好き』のほかにすぐ借りられるやつを取り寄せてみたら絵本だった。

父さんと釣りにいった日父さんと釣りにいった日
(2002/11)
シャロン・クリーチ作
クリス・ラシュカ絵
長田弘訳

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これがまたよかった!
ある土曜日、朝はやくから釣りにでかける「父さんとぼく」。
誰も知らないところへ、新鮮な空気を釣りに、そよ風を釣りに。

道中の父さんのことばは、「ことばによって世界がみえる」を感じさせる。

▼「あの街灯を見てごらん」と、父さんが言った。
 「一列にならんで、かがやいている、たくさんの、
 ちっちゃな月みたいだ」

すると、それまでただの街灯に見えていたのが、「一列にならんで、かがやいている、たくさんの、ちっちゃな月みたい」になる。

林をぬけ、澄んだ、つめたい川につき、父さんとぼくは、それぞれ釣り糸を投げいれる。ぼくは、父さんに子どもの頃のことをたずねる。

どんなところに住んでいたの?
住んでいた家のまわりはどんなところだったの?
誰が父さんに釣りをおしえてくれたの?

そして、ぼくは、何もかもを釣りあげたのだ。
▼吹きぬけていくそよ風。空の切れはし。
ぺらぺらの黄いろい太陽。ポーチはがたがたで、
窓はちいさくて、屋根の赤い、ちっちゃな灰いろの家。
赤い花があちこちでゆれている、波うつみどりの野原。
木のみどりがとてもうつくしい、おおきな木。
さらさらと流れていく、澄んだ、つめたい川。


絵本のカバーの袖にある作者紹介には、こんな風に書いてある。
▼シャロン・クリーチ
…(略)…「私は子どものころ、父と一緒に何時間も釣りをした。といっても、それほどたくさんの魚をつかまえたわけではない。ただ、すばらしい一日と、世界を見る方法をつかまえることができたと思う」と彼女は言う。…(略)

巻頭の献辞には「釣りの好きな、めいたちに」とクリーチは書いている。
父と釣りをした娘だったクリーチは、やはり釣りの好きな姪っ子たちにこの本をかいたようだ。

この本のなかで父さんと一緒に釣りにいく「ぼく」は、その一人称と絵から推すに男の子だが、それが男の子だとか女の子だとかいうよりも、これは「父さんと釣りにいった」ことをかいた作品なんやなあと思う。

絵もじつにイイ。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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