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読んだり、書いたり、編んだり 

ライプニッツ


ライプニッツが図書館のことを「人類の魂の宝庫」などと語っているらしきことを複数の本で読み(『図書館の話』や『ず・ぼん』で)、それが気になって、図書館で調べもの。カウンターでもあれこれと尋ねる。

ライプニッツがそういうことを言っていると書いた本はいくつかあるが、出典がどうもはっきりしない。孫引きなのか、言い伝えなのか、それにしても、どこかに何か手がかりはないのか。

「人類の魂の宝庫」というような表現が、ライプニッツの書いたもののどこかに出てくるんでしょうか?出てくるとしたらどこに?

それであれこれと探してもらった本をいくつか拾い読み。
ライプニッツの、この本のここ、というよりも、たいへん筆まめだったライプニッツの書簡のなかにそれらしきことが書いてあるようだ、というところまでたどりつく。


他館から借りてもらった本の返却期限がきてしまい、全部読み切れないまま、いったん返す。おもしろかったので、また借りるためのおぼえ。

▼佐々木能章『ライプニッツ術 モナドは世界を編集する』工作舎、2002年:

「発想術」「私の存在術」「発明術と実践術」「情報ネットワーク術」の四つの視座から哲学の生きた現場に迫る、という本。ライプニッツの方法に自分も近づいて、それを実践してみたい、そこからライプニッツに少しでも近づきたい、という意欲をもった本。

この本に引用されている「ヴォルフェンビュッテル公図書館の維持を推進するための提案」(pp.220-223)が、“人類の魂の宝庫”に近いようだ。

▼『椎名六郎先生 図書館学論文集』椎名六郎先生顕彰会、1978年:

図書館業界の大物(?)の論文を弟子が集めて編んだものらしい。収録されている論文のひとつ「ライプニッツの図書館活動」のなかに、こんなところがある。

▽…ライプニッツはヒューマニストであっただけに、利用者に対するサービスをもっとも力説し、また実現に努力したのであります。彼は利用の場としては、利用者を必要な資料が、円形に取り囲んでいるような設備を理想としました。図書館を人間の“一般的便覧”、“百科事典”、“全科学の販売店”、“すべての科学の宝庫”と呼び、また“全知の教師”であると強調しています。図書館は“人類の魂の宝庫”であり、“すべての時代の偉大なる人たちとの話し合いの場”であり、そして“一つの建物の中に国民が奇跡的に集まり、読者に対して、自分の選んだ思想を語ってくれる場所である”というのであります。そして彼は“もしも誰かが商業や工業の事業を始めようと希望するならば、その主題を知っている著者は、その人に助言してくれる。もしも町が要塞化されるとするならば、人は計画を得るであろう。また勝利によって発見された要塞の欠陥を知ろうとしたならば、その欠点を読むことができるであろう。またもしもその主題についての、新しい法律が公布されるならば、図書館はその主題についての新しい情報をもっている…”と言っています。この思想は、現代のレファレンス・ワークの根本思想であり、その源流とみることができましょう。[中略]

 …図書館が多くの資料を収集蓄積したとしても、それが利用者に知らされない限り、利用の意欲は怒らないし、図書館は民衆と密着できません。今日図書館は多く館報とか、目録とか、書誌の類を発行して、図書館相互や、利用者の間に配布するのが、すでに常識となっています。これは図書館のPR、たいがい活動、書誌サービスなどといわれ、図書館と利用者を結合する方法であります。ライプニッツは、かつて青年時代に、正しい規則にかなった目録に基礎をおいた「Nucleus librarious Semestralis」(半年間における図書の中心核の意)を、出版しようとし計画しました。それは「本に含まれた人間の知識の便覧目録の刊行(Inventarium Scientiae humanae libris proditae)」の中に段階に拡大するものであり、それはすべての主題が、一定の所で見つけられ、あらゆる科学の普遍的体系を、よく把握できるというのであります。これを利用することによって、学術文化の業績の概要と、進歩の過程や、歴史的発展を、簡単に手っ取り早く、一目瞭然に理解できる仕組みであります。そのようなものが各図書館で行われ、それによって各図書館が主題目録を作成し、その結合から生まれる、普遍的な百科事典の出現を希望していたのであります。彼はそれによって、図書館は学術文化の進展に寄与できると考えていました。このようなものが、利用者に配布されると、利用者は自分の関係する主題、求めようとする主題が、どの本や雑誌の中にあるかを知り、それから図書館に出かけて、その本や雑誌を求め、研究調査すれば無駄な手数を省き、時間的にも、早く結果を得ることができるのであります。今日のドキュメンテーションも、このシゴトを重要な業務としています。この着眼ははなはだ革新的なものであります。こうした情報の書誌活動は、あらゆる図書館が持つべきであると考えます。現在政界においても、こうした情報の書誌活動と奉仕を行っている図書館は、まだ少ないのが現状であります。…

「ライプニッツの図書館活動」
(自家出版として発表 1961.2.15
 一部は図書館界 Vol.12,No.2,No.3所載)

 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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