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人間滅亡的人生案内


人間滅亡的人生案内
深沢七郎
\798
河出書房新社
1974年

誰かの本か何かで出てきて、ちょっと読んでみたかったので、図書館で借りてきた本。

雑誌『話の特集』の1967年9月から1969年11月まで載せた人生案内をまとめたもの、だという。

▽私の人間滅亡というのは、人はこの地球上に繁栄しているのは、実は茄子の枝にベッタリこびりついているアブラ虫と同じ状態だと思うのだ。だから、人は繁栄しなくてもいい、繁栄する必要はないと思う。そんなアブラ虫たちには道徳だとか、常識だとかは自分たちの繁栄のためには必要かもしれない。私の回答は必ずしも道徳だとか、常識だとかにこだわらない。(pp.197-198)

・・・というような「人間滅亡」を唱える滅亡教、ということでこのタイトルなのらしい。

ちょうど、団塊の世代くらいの若者(67~69年に『話の特集』に身の上相談を送りつけてきた若者は、それくらいの世代だ)が、くどくどと自分の悩みを書きつづっている。いまは還暦というような人たちの、若い頃の悩み、という風に読むのもおもしろかった。

そういう若い人の身の上相談について、深沢七郎はこんな風にコメントしている。

▽…『話の特集』の読者は若い人達が多いらしく、そのほとんどが20歳前後の人達にかぎられていた。勿論、身の上相談だから一般の新聞や雑誌にのっている相談-嫁と姑とか、妻子ある人との恋愛問題とかのような悩みはほとんどなく、20歳前後の若い人達の問題は案外、日常生活のつまらなさ、退屈などについて訴える-回答を聞くというようりも、むしろ、書いて、読んでもらいたいというようなものが多かった。つまり、生活のトラブルというより生活のムードというものを意義づけたい-そんな悩みが多かった。…[中略]それにしても、若い人達の悩みが、こんな形式になっていること-だれもが申し合わせたように生活のムードの悩みになっていたことは私には意外だった、もっと、事件的な、ドラマ的な相談もあると思っていたのだが。(pp.188-189)

深沢七郎といえば、『風流夢譚』であり『楢山節考』だが、こういう人間滅亡というのもあるらしくて、『人間滅亡の唄』という作品もあるそうだ。
図書館にあるかな。

雑誌『話の特集』の本誌はほとんど知らないが、『話の特集』からできた本は、むかし古本屋で時々買って読んだ。中山千夏とか、矢崎泰久とか…。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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