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もうガマンできない!広がる貧困 人間らしい生活の再生を求めて


もうガマンできない!広がる貧困 人間らしい生活の再生を求めて
宇都宮健児(編)
猪股正(編)
湯浅誠(編)
\1,365
明石書店
2007年

湯浅さんのインタビュー記事を読んで、とりあえず図書館にあった本を借りてきた。「当事者の声」と、「論点」をセットにして、シングルマザー、多重債務者、障害者、高齢者、労働の貧困化、新たな労働運動、セーフティーネット、「生きること」の困難さ、外国人女性、メディアと貧困、人間の再生という11章で構成されている。

 セーフティーネットがスカスカで、どっかの穴に落ち込んでしまったら、なかなか這い上がれない一方で、“貧困ビジネス”(消費者金融、日雇い派遣、レオパレス21のような)ネットが張り巡らされている。貧困ゆえに割高な利率でカネを借りることになり、貧困ゆえに低賃金とわかっていても日払いの仕事につくことになり、割高な家賃の住まいを選ぶことになる。そうした“貧困ビジネス”が襲いかかると、「貧困というのはお金のかかるもの」となり、これらの“貧困ビジネス”は、貧困へ転がり落ちないようにというブレーキではなく、より貧困なところへ送り込むアクセルとなる。


湯浅さんの『貧困襲来』は、図書館に所蔵がなかったのでリクエスト中、次はこれも所蔵のない『働けません。』という本をリクエストしようと思う。



▽貧困とたたかう社会運動としての“反貧困労働運動”の可能性

…労働者が企業に対してモノを言おうとするとき、企業側は個別の労働者との話し合いを拒否しても何ら違法性はないが、労働者が労働組合に加入して団体交渉を申し入れれば別である。労働組合から団体交渉を申し入れられた企業は、正当な理由なく団体交渉を拒否することはできない。団体交渉権は、憲法28条と労働組合法に定められた労働者の権利であり、それを活用することによってはじめて企業と労働者は対等のテーブルにつくことができる。貧困とたたかおうとする私たちは、この団体交渉権を活用することが不可欠である。つまり、“団体交渉権をどんどん使う社会運動”として労働運動を展開していくことが求められている。逆に言うならば、「社会運動の側が労働組合という武器を使いこなす」ことが重要ともいえるだろう。(pp.106-107、河添誠「貧困に立ち向かう新たな労働運動」)

▽…低賃金、不安定雇用、長時間労働という厳しい労働環境におかれている労働者が、待遇改善をはかり「人間らしい生活と労働」を取り戻すためには、企業と直接交渉ができる労働組合の結成が最大の武器となる。いわば労働組合も社会的セーフティーネットの役割を担っているといえる。現行の労働基準法では、従業員の過半数を超える労働組合があれば、この組合と労使協定(三六協定)を結ばない限り、企業は時間外労働(残業)を一切させることができない。まずは、困難な状況におかれている労働者自身が、団結して全国の職場・地域に労働組合の旗を立てることが必要である。(122p.、小島茂「社会的セーフティーネットの再構築に向けて」)

▽…生活保護を受けることができ、生活を立て直す足がかり[ママ]得ることができました。
 病気を治療する時間を得ることができました。考える時間を得ることができました。
 そして気づきました。

 私自身が、今まで何も見ず、何も聞かず、誰も助けようとしなかったということに。無責任な政治家や官僚、自分の利益しか考えない資本家たち。彼らの目には利益しか見えず、彼らの耳にはもうけ話しか聞こえず、彼らの口は詭弁と自己責任の追及しか発しない。そんな彼らと自分が同質であると気づいたときに、心に誓いました。

 今はまだ、なんの力もない病人だけど、かならず病気を治し、社会に復帰しよう。悪事を見逃さないように目を見開き、悪巧みを聞き逃さないように耳をすまし、詭弁を論破するために口を開こう。困ってる人を見逃さないように、助けを求める声を聞き逃さないように、励ましの声をかけられるように、そして、一緒に歩いていけるように。
 
 新自由主義社会の中で、ほとんどの人は自分しか見えていません。自分がいくらもうけられるか。それしか考えていません。そんな社会は変えていかなくては、もっともっと苦しむ人が増えていくのです。

 だからこそ皆さん、隣にいる人を見てあげてください。自分の幸せを願うのと同じように、隣の人の幸せを願ってください。それが、最初の一歩になると思います。憎み合わなくても、ねたみ合わなくても、奪い合わなくてもいい社会。それが私の理想です。

 そんな社会を、いつかみんなで肩を並べて歩けるように。 
 (pp.177-178、金城一史「憎み合わなくてもいい社会へ」)




*誤字
 90頁、4行目
 …格差を利用した再現のない法的保護の買い叩きを…
→…格差を利用した際限のない法的保護の買い叩きを…
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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