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嶋崎吉信・清水直子『がんばれ美術館ボランティア』淡交社

▽…「古い役人的根性からいうと、ボランティアは要らないんだよね。古い役人の管理優先の概念からいうと、裏口からそんなのがノコノコ入って来て、館員と同じような顔をされては困るわけ。お客さんとか外部の人は、ここまではいいが、ここからは入ってくるなっていう。得体の知れない人間に、聖域である事務所の廊下とかウロウロされたくない。ましてや、事務所に入ってきてゼロックス使ったりとかしてほしくないんだよ。」

 …美術館人のこうした思いにみるように、あくまでも学習の場を提供してあげる対象として位置づけられていることに、ボランティア自身は窮屈さを感じないのだろうか。

 いや、それでもよいというボランティアは多いのである。
 先に挙げた名古屋市美術館の『研究紀要』では、ボランティアの応募者のなかには、新聞の切り抜き、資料整理、ポスターや展覧会の案内状発送、会場監視、券売やミュージアムショップの業務のような仕事でもかまわない、「美術館の中で居られればそれだけで幸せ」という人が現実にいる以上、この分野をボランティアに担わせる可能性もあることも示唆している。

 もちろん、館によって実際の活動内容は異なり、顔ぶれも違うので一概には言えないのだが、現に美術館でボランティアをしている人たちの話を聞いてみても、無料のカルチャーセンターに行っているつもり、とにかく美術館に接していたい、と話す人は多い。

 ボランティアを始めたきっかけと動機に関する東京都の調査では、その多くが「美術に興味があったから」(69パーセント)、「自分の勉強になると思ったから」(54パーセント)と答え(複数回答可)、「社会の役に立ちたかったから」(33パーセント)を大きく上回っている。

 さらに、ボランティアに参加してよかった点を多くが、「美術に対する造詣が深まった」(84パーセント)、「友人や趣味の合う話し相手ができた」(53パーセント)を挙げている。自分の興味、関心を満たすことを動機に参加し、その欲求はほぼ満たされている、という美術館ボランティアの一面が浮かび上がってくる。…(31-33ページ)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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