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嶋崎吉信・清水直子『がんばれ美術館ボランティア』淡交社

--そういった話し合いや合意をいとわなければ、ボランティアが徒党を組むといったことを恐れる必要はないですか。
 「ええ、まったくないでしょうね。ボランティアの自発的な気持ちと、県立美術館の社会的使命といいう視点に立った館側のニーズとのすりあわせは重要です。たとえば、数年前にうちでも、モチベーションの高いボランティアから、何でワークショップをしないのかという意見も出されました。意見を出してもらったからといって困るわけではない。僕は、時期尚早だという意見を堂々と言って話し合いました。予算や実行する技術や能力を計算に入れないままでのやりたいという意見に対しては、成立するための要件を説明します」

--成立させるための要件や技術を持ってボランティアが提案するのであれば。
 「もちろんやりますよ。まだそこまで追いついていないのが実状です。代表者会議という対話の回路はつくってありますし、こちらから働きかけることもありますが、実際は具体的に実現化までを見据えた提案は少ないですね」

--なぜでしょう。
 「ボランティアを構成している人の志向と能力のバランスが要因のひとつにあるでしょう。三年前に子ども向けガイドのパンフレットをつくろうという提案がありました。それではと、有志のチームをつくり、他の館の資料を集めて-それも大半は僕が集めたのだけれど-掲載すべき情報を分析して、具体的に作品を見る際の注意などを考えたりして、デザインまで進めたのですが、残念ながら出来上がってきたものはとてもそのまま使えるものではありませんでした」

 職員が丁寧にボランティアと対話をすること、意向を汲み上げ、いっしょに活動しながら、受け入れられないことは論理的に説明すること。職員側の手のかけ方によって関係はまったく変わってくると、柳沢さんは考えている。

 「トラブルがあるのは職員の側にも問題があると思います。先の例でも、いっしょに悪戦苦闘してみたうえで『提案はしてみたけれど、実際やってみるとたいへんなのはわかりましたよね。ではここから先は僕ら学芸員がやるから委ねてくれますか』と言えば納得する。だからボランティアの担当者は、単なる引継業務ではなく、ボランティアと館側のスタンスを見極めて丁寧に手をかける必要があるのです」

 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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