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『赤瀬川原平の名画探検 ルソーの夢』講談社(1998)

 肖像風景 観念のリアリズム

ルソーの人物画は必ず正面を向いている。生活の中で人の顔は横や斜めになったりするものだが、ルソーは必ず正面。真ん中に鼻と口、両側に必ず目が二つ。横を向くと目が一つになるが、人間には必ず目が二つ、というのがルソーの描き方である。ルソーは見たものを描いているというより、見て知ったものは描いている。自分の観念の中に出来上がったものを描いている。横顔は目が一つになるけど、それは物理像で、頭の中に観念像としてある人の顔は、必ず目が二つなのだ。だからルソーは観念像のリアリストである。手には必ず指が五本あり、人間には必ず足が日本ある。アポリネールが肖像画のモデルとしてアトリエに来たとき、ルソーは鼻や口や耳や顎や、身長や肩幅など全部モノサシで測りはじめたという。それは画家の方法というよりは洋服の仕立て屋のやり方である。ルソーの絵は観念を通して物を見る仕立て屋のリアリズムである。

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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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