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暮らしの雑記帖 狭くて楽しい家の中(永江朗)

永江朗は『あうる』という雑誌(旧名は『図書館の学校』)で「大人の楽しい調べもの」という連載をしている。職場でたまに読むこの連載が私はけっこう好きで、こないだも『あうる』の新しい号で永江の名前を探してページをひらいた。

いつもは何かテーマがあって、それを永江がどう調べ、その結果どういうことがわかったか、を書いてあるのだが、今回は調べてみたものの不発だったそうで、いつもの調べものの話とは違って、本を読むということについて書いてあった。

本を読む時間をどうつくるかという話や、メールを書いたりネットにつないだりする用のパソコンとは別にローカルで書きもの用のパソコンを使っているという話がおもしろかったので、永江はどんな「読む生活」をしてるんやろと、久しぶりに図書館の蔵書検索で永江本を引いてみた。

そしたら『暮らしの雑記帖』という、本ネタも多少は入っているようだが、むしろ暮らしのあれこれを書いたとおぼしきこの本がみつかったので、予約して借りてきた。

暮らしの雑記帖―狭くて楽しい家の中暮らしの雑記帖
狭くて楽しい家の中

(2007/10)
永江 朗

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永江朗といえば、私のなかでは『批評の事情』『不良のための読書術』、あるいはネットで読める物件としては斎藤美奈子と一緒にやった「甘い本 辛い本」の人、要は本ネタの人だったのだが、『暮しの手帖』をパクったようなタイトルのこんな本もあったんですかと思う。

で、今日は『We』の校正の目途がたったので、湯たんぽを支度してひざに置き、手は編み物をしつつ、ぴらりぴらりと、久しぶりにのんびり本を読んだ。

手を動かしつつ、ゆるりとこの本を読んでいて、私は永江朗と坪内祐三をちょっとごっちゃにしていたかもなと気づいた。この二人は同じ年の生まれで、誕生日は一日違いなのだ(私は坪内のほうと誕生日が同じ、歳は違うけど)。

文中にときどき「ラジカルな生活保守主義」というコトバが出てくる。「ラジカル」で「保守」ってところが永江流なのかもしれぬ。そのココロは巻頭にある「日々の生活の基本は政治でも国際関係でも経済でもなく衣食住です」(p.2)ということらしい。

小見出しがときどき引っかかる。なんやねんこれは、という意味ではなくて、へぇ~とかふーーーんという感じで。

たとえば

「夜空には天体望遠鏡という思い込み」(p.9)
「「しおり」文化は日本独特?」(p.52)
「「うち」とは何か?」(p.142)
「Tシャツもワイシャツも下着」(p.154)


ここに目が留まって、付箋を貼った。

▼…自分の住む街をよく歩き、よく知るようになると、自分の住まいもちゃんとしなくちゃという、一種の責任感のようなものが芽生えてくる。なんといえばいいだろう。自分の住まいが自分だけのものではなく、この街全体のなかの一部であり、両隣やお向かいだけでなく、少し離れた赤の他人の家とも関係しあっているのが感じられる。地域共同体とは、たぶんこうした日常的な隣人への関心からはぐくまれるものなのだろう。(p.167)


こういう「隣人への関心」や「街への関心」について、こないだ読んで返した『さよなら下流社会』の中で、たしか鈴木謙介が似たようなことを書いていた。この永江の文章と並べてもう一度読みたい。


図書館の本なので、ブッカーを掛けてあるカバーをひんむくことができないのだが、表紙のカバーには窓があり(窓開き封筒のように)、そこから本体の表紙に印刷してあるらしき「生活明細票」というのがみえている。給与明細風のつくりをねらったとみえる。

このカバーをひんむいて本体の表紙を見たい!というヨクボウのために、本屋でこの本を探しそうである。


でもって、ポプラ社といえば“児童書”という思い込みが私には長らくあったが、田辺聖子コレクションの入ったポプラ文庫といい、この永江本や『さよなら下流社会』(松本哉と鈴木謙介の本)といい、私ごのみの路線が発見できて、けっこううれしい。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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