読んだり、書いたり、編んだり 

声を聴かせて(朝比奈あすか)

声を聴かせて(朝比奈あすか)声を聴かせて
(2014/01/09)
朝比奈あすか

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表題作と「ちいさな甲羅」の2編収録。

「ちいさな甲羅」は息をつめて読むような感じで、ちょっとキツかった。幼稚園で息子が他の子にかみついたことを知って、同じ幼稚園に子どもを通わせる近所の母親たちにどんな文面でメールを送るか、どう書けばうまくことがおさめられるかと栄子が思案するところは、これがいまの"リアル"なんやろうかと思ったり。

だが、そんな"努力"もむなしく、母親たちのメールが行き交う関係から、栄子ははずれてしまい、自分が幼稚園へいけなくなってしまう。こういうふうな親どうしのビミョウな関係が、子どもの関係にもうつしだされているようだった。わが子に「どうしてそんなことするの!」と怒りをおぼえる栄子の姿に似たものが、現実にも結構あるんちゃうかと思えて、こわかった。
表題作は、離婚して、ひとり親で子どもを育ててきた母と、里帰り出産する娘との話。母はふたりの子のうち、下の子を保育園につっこんだトラックのために亡くした。娘にとっては弟だ。

亡くした息子を思い出して泣く母に対して、弟を亡くした姉のふるまいがあまりに一所懸命でけなげ。ときには、母の前で、弟になってみせるのだ。母を心配させまいと、決して言わなかった自分のこともある。「姉」の私は、ちょっとズキズキした。

この作者の本は、なにか読んでたよなーと過去ログを探ると、『憂鬱なハスビーン』『光さす故郷へ』『月曜日の朝へ』を読んでいた。

(2/26了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第40回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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