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ヤマトタケル(山岸凉子)

ヤマトタケルヤマトタケル
(2011/02/19)
山岸凉子

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本読みの友より、あれこれ届いた荷物のなかに、読みおわったからあげると入っていたマンガ。初出は1986~87年の「ASUKA」で、この本は"山岸凉子スペシャルセレクション"として去年出たもの。表題作は梅原猛の原作だという(これか? 『ヤマトタケル』)。

父である天皇[すめらみこと]の命により、熊襲討伐にゆき、あっという間に平らげてしまった小碓命[おうすのみこと]は、人々にヤマトタケルと呼ばれるようになった。タケルとは一番強い男に奉られる名で、大和朝廷の皇子ゆえに、ヤマトタケル。

熊襲を討った武勇をもって、次は蝦夷へ向かって北方蛮族を大和朝に与[くみ]するよう働いてもらいたいとのおおせを受けたタケルは、伊勢の神刀、叢雲[むらくも]の剣[つるぎ]で相模の国の蝦夷を平らげた(この剣が、のちに「草薙の剣」と呼ばれる:三種の神器のひとつ)。

蝦夷の民を討ったのち、蝦夷の頭・ヤイレポとヤイレムのきょうだいから投げられた言葉を、タケルが反芻する場面。蛮族はどちらなのかと思う。
▼我々の国へ勝手に押し入り
 それを蛮人といわずなんといおう
 この日の本の国はもともと我々の国なのだ
 後ろから… これがおまえ達 大和の蛮族のやり方だ(p.187)
従者のヘタルベが、ヤイレポの跡取りを見逃してはならぬと斬ったことに、タケルは激怒する。ヘタルベに「男子の跡取りをたつのは戦の鉄則ではございませんか あの少年をあのまま見逃しては後顧の憂いとなりましょう」(p.184)と言われても、なかなか怒りは収まらない。

小学校や中学校の歴史の教科書には「ほろぼしました」という表現がよく出てきた。その教科書を使っていた頃にはあまりよく分かっていなかったけれど、「ほろぼしました」とは、一族皆殺しということ。

歴史の多くは「ほろぼした」側から書かれ、「ほろぼされた」側が描かれることは少ない。ヤマトタケルの物語は、そのことを考えさせる。

(1/14了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第37回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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