読んだり、書いたり、編んだり 

レッツゴー・ばーさん!(平 安寿子)

レッツゴー・ばーさん!レッツゴー・ばーさん!
(2014/12/08)
平 安寿子

商品詳細を見る

タイラアスコの新しい本が出てたので、図書館でちょっと待って借りてくる。いま売れ売れのピケティ本『21世紀の資本』と同じ12月8日刊だが、図書館でまわってきたのは1刷(12月に出た本はフツーそうでしょう)、同居人が買い求めてきたピケティ本は12月22日に4刷だった(600ページもある重い本が異様な売れゆき)。

▼老いを隠そうとするのは、そこまで生きてきた自分の人生をまるごと否定するのと同じじゃない?
 そんなの、わたしはヤだね。
 というのが、六十代デビューしたばかりの東西文子[とうざいあやこ]、目下のスタンスである。(p.8)

ばーさんになっていくと、身体気力その他もろもろにいかなる変化(=老化)が起こるものであるか?ということを、60代に入ったばかりのプレばーさんである文子を主人公に、小説仕立てで書いている。文子が、少しばかり年上の先達のご様子を伺いつつ、ばーさんになっていくわが心身を省みて、あーだこーだと思案し、周囲の同年代の友などと語らうところが、私にはベンキョウになる。まだ身に迫っていないからだろう。

文子の「身体の声」は正直で、アタマのほうがぐじゃぐじゃ考えてるのをすっとばして、わが身を訴える。
▼文子は近頃、身体の声が聞こえるようになった。
 あー、消化するの、きっついわー、と胃がうめく。
 そっちはまだいいほうよ。と、腸が愚痴る。…(略)…
 このように、内臓は総じて、とっても怒っている。…(略)…
 わたしらは、脳の部下じゃないんだよ。内臓こそが、脳を動かす原動力なんだからね!
 このような内臓の怒りの声が聞こえるようになるのも、老化現象。でも、これは老化のいい点だと、文子は考えている。(pp.19-20)

なにが"自然"か、なにが"不自然"か、というのも文子の語りから、またまた考える。靴をはいて歩いてる時点で、すでに"自然"ではない気もするし、栄養を考えてご飯を食べるというのもアタマでっかちな気もするし。

▼薬で体調管理するなんて、不自然だ。自然に老いて、朽ちていきたい…なんて、我ながら、どの口が言うって感じね。
 わたしたちは老いていく。圧倒的な時の流れの力を操作することなんて、できやしない。
 そのスケールを思えば、ちょこっと薬を飲んで体調管理するくらい、バチが当たるほどの「不自然」じゃないよね。と、自分に言い訳。…(略)…
 中古のアンドロイドでも、生かされているうちは生きていこうよ。
 お迎えはちゃんと来るんだから。(p.103)

老化にともなう変化について多少は(ヨレヨレになりつつある父や、母と同い年のおばちゃんを見たりして)知ってるつもりでいたけど、はーなるほどー、そんなことも起こってくるのかと興味深く読んだ。

年明けに読んだ川口有美子さんの『末期を超えて』の冒頭に、難病になるとどうなるか分からなくて絶望する人がいるけど、なんとかなる、こんな風に生きられると分かっていたら、そこまで怖くない、というようなことが書いてあったが、タイラアスコのこの本も、ばーさんになるのもなかなか楽しいデと語りかけるようだった。

(1/6了)
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/5177-5ae16bab
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第40回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ