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なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白(東小雪)

なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白なかったことにしたくない
実父から性虐待を受けた私の告白

(2014/06/03)
東小雪

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『ふたりのママから、きみたちへ』や、『レズビアン的結婚生活』の著者のひとり・東小雪さんが書いた本。前の2冊を読んだときに、東さんというのは、なんでこんなうっとうしい感じになるんやろと思った部分があるけど、その裏には心を病み、オーバードーズを繰り返すほどの苦しみがあったことを知る。

サブタイトルに書かれている実の父からの性虐待のことも、かつて属したタカラヅカの中にある暴力のことも、そして自身がレズビアンであることも、そのいずれも「なかったことにしたくない」という東さんの強い思いが感じられる。
タカラヅカ時代、予科生がどんなことをされるのか、どんなことを求められるのかを読むと、これは暴力でありハラスメントなのだと率直に思う。けれど、それはくりかえされてきた。予科生の睡眠時間は一、二時間。ほとんどの子は生理が止まってしまうというが、それさえも誇りに思うような、ヘンな思考に陥ってしまう。タカラヅカは、こんな暴力を「清く正しく美しく」と言っているのだろうか。

▼宝塚音楽学校─そこは予科生が本科生に自分の考えを述べることがいっさい禁じられた、徹底した上意下達の世界だった。
 それを象徴するのが通称「予科語」だ。予科生は本科生に対して、原則七つの言葉しか発することを許されない。
 「おはようございます」
 「おつかれさまでした」
 「すみませんでした」
 「失礼します」
 「はい」
 「いいえ」
 「ありがとうございます」
 ただ、「いいえ」はあまり使うと反抗的と見なされたから、実質六つの言葉しか許されなかったと言ってもいい。
 このなかでもっとも頻繁に使われるのが「すみませんでした」だ。そもそも寮内で予科生が本科生と会話をするのは、基本的に「失敗:をして本科生から「ご指導」をいただくときなのだから、よく使われるのも当然だった。(pp.40-41)

この本では、まず予科生として「被害者の私」の話が書かれているが、先輩たちにされたのと同じことを自分が後輩たちにまたくりかえしていたこと、後輩を泣かせて服従させる"指導"の快感があったことを書いた「加害者の私」の部分が圧巻だった。

カバー写真は鬼海弘雄によるもの。前に伊丹市美(※)で写真を見て、ぐっと印象に残ってる写真家。

(12/25了)

※鬼海弘雄写真展 PERSONA
http://artmuseum-itami.jp/exhibition/past_exhibition/2012_exhibition/1204/
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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