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本について授業をはじめます(永江朗)

本について授業をはじめます本について授業をはじめます
(2014/09/22)
永江朗

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永江朗の『「本が売れない」というけれど』を読んだのと前後して、「ブックマーク」読者のKさんからの本ネタ通信で、この本が紹介されていて、図書館にあったので借りてくる。

少年写真新聞社の「ちしきのもり」というシリーズの1冊で、版元のサイトによると、これは"小学校中・高学年以上対象の新ノンフィクション"らしい。

1時間目「ぼくらのもとに本がとどくまで」、2時間目「本のルーツをたどる旅」、3時間目「本と仲よくなるには」という構成で、Kさんが「一見すると児童書だが、中身はかなりマニアック、というアンバランスさも、面白い」と書いておられたとおり、字も大きいし、ちょっと込み入った字にはルビが振ってあるし、見た目はたしかに"小学校中・高学年以上対象"だが、『「本が売れない」というけれど』で書かれていた内容と重なるところもあったりで、大人が読むのもおもしろいと思う。
3時間目に含まれている「未来の本について考える」は、紙じゃなくて電子、というようなちゃちな話ではなく、"いろんな本のかたち"を考えている。そもそも、本のかたちは変化し続けてきたのだ!

▼「文字や絵や写真を印刷した四角い紙を、そろえてとじて表紙をつけたもの」という現在の本のかたちは、本の長い歴史全体から見ると、最近のものにすぎません。これまで変化を続けたのですから、これからも変化し続けるでしょう。(p.120)

「「本は四角くなくてもいい」と考えるだけで、いろんなかたちの本がつくれます」(p.121)に始まる、さまざまなアイデアの部分がおもしろい。新しい世代は、もっともっといろんな本を考えだし、つくりだせるのではないか。

▼本は紙でなくてもいい。昔の本が粘土や木だったことを考えると、どんなものでも本になります。たとえば布でできた本はどうでしょう。もしも一枚の大きな布に印刷した本なら、自由にたたむことができますね。…(略)…もっと大きければ、テントのようにして、そこに住むこともできるかもしれない。本の家です。
 布の本なら、必要なところだけ切り取ることもできるかもしれません。丸めたり、たたんだり、ポケットに入れるのも簡単そう。地図なら旅行するときに便利ですね。ポケットに入れておいて、道を確かめるときにさっと出す。時々、その本であせをふいたり、寒くなったら首に巻いたり、日が差してきたら頭に巻いたり。ゆかたに仕立てれば、着ることもできます。
 本がうすいプラスチックだったらどうかな。雨の日でも平気ですよ。おふろの中でも読めます。急に雨がふってきたら、広げてかさのようにすればいい。鉄やアルミニウムだったらどうだろう。ガラスだったらどうだろう。本は紙じゃなくてもいい、と考えるだけで、いろんな本をつくれます。(pp.122-123)

「おわりに」で永江は、「未来の本はきみたちのもの、本の未来もきみたちのものです」(p.139)と呼びかけるとともに、これまでの本を大切に保管して伝えていってほしいという。「未来を考えるヒントはいつも過去の中にあります。そして、過去がどんなだったかを教えてくれるのもまた、本なのです」(p.139)と。

コアラが食べるものとは種類が違うそうだが、口絵に写真で紹介されていた「紙の原料はユーカリです」というのが、私には驚きだった。ユーカリ? ちょっと検索してみたら、『沈黙の森・ユーカリ―日本の紙が世界の森を破壊する』といった本もあるらしい。ユーカリか~。もうちょっと知りたい。

(12/11了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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