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週刊 金曜日 2014年 11/21号(特集:非正規労働者2000万人時代)

週刊 金曜日 2014年 11/21号 非正規労働者2000万人時代週刊 金曜日
2014年 11/21号
非正規労働者2000万人時代

(2014/11/21)

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どこかで(それがどこだったのか思い出せず…)、この非正規労働者の特集のことを読み、久しぶりにバックナンバーを図書館で借りてくる。私は日刊紙も読んでいるが、(週刊金曜日の部数がどれくらいなのか十分知らないものの)そういう大きなメディアではほとんど全く出てこないような切り口やテーマやなあと思う。

特定秘密保護法のことなんかとくに(「短期連載 特定秘密保護シミュレーション」というのも載っている)。
先日またもや逮捕拘留されてしまった、ろくでなし子さんのマンガ「ワイセツって何ですか?」(第6話)がおもしろかった。取り調べで、もしやこの供述調書は、裁判になったら法廷で私が読むことになる!? 「ならば私らしい言葉にしてもらわなくちゃ困る!!」(p.36)と気づいたろくでなし子さんは、刑事が書き上げた供述調書を「その女性器ってとこまんこに直してください!!」「全部まんこに書き直してよ!!」(p.36)と要求。その結果、供述調書は前代未聞のまんこまみれに。

調書は作成の際にまちがいがないかどうか刑事が朗読することになっていて、「朗読のときだけ女性器って言い換えてもいいよね?」(p.36)という刑事に「ダメー!!一字一句言い換えず読んでください!!」(p.36)と、刑事にあの3文字を言わせたろくでなし子さん。

北原みのりさん(わいせつ物公然陳列の疑いで逮捕されていたが、検察の拘留請求が裁判官に却下され、釈放されたとのこと)の連載「メディア仕分け人」もよかった。

モスバーガーの店舗で中国人女性店員へのヘイトスピーチを記したボードが店頭に掲げられていた件や、今夏のコミケで集英社が美少女アニメが描かれた瞬間冷却剤を配布し、そのことを「『殴ると冷たくなる美少女』を配布してます」とツイッターで記した件をあげ、こう指摘する。

▼外国人や女、自分と違う者への差別や暴力が日常化し、それを差別や暴力として認識することもなく、「面白いこと」として、堂々と外に漏らしてしまう感覚。他者がいなくて、仲間内だけで通じる論理と言葉で、盛り上がる感覚。…(略)…
 「従軍慰安婦問題」の根っこにも、同じものを感じている。「強制連行はなかった」などと堂々と言い、「慰安婦問題の流布で、日本の名誉が傷ついた」と大声をあげる政治家が後を絶たない国会には、モスバーガーの看板や集英社のツイッターと同様、他者がいない。…(略)…
 自分たちだけの世界の真ん中に立って差別を叫ぶ男たち。いい加減に他者の存在に気づき、対峙する勇気を持てよ。(p.51)

この号の特集(非正規労働者2000万人時代)におさめられている記事はこんな。
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=3365

かつて、「31歳、フリーター。希望は、戦争。」と書いた赤木智弘が雨宮処凛との対談のなかで、こう語っている。

▼赤木 「希望は戦争」の中で求めていたのはカタストロフィー、つまり社会が崩壊する事によって日本全体がリセットすることでした。2011年に東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故が発生し、大きな崩壊が起こった。救済はされましたが、その対象は福島にいた人、つないで家族や家を流された人に限られました。最初から家族や家がない人は対象にならなかったのです。要するに「救済の選別」が行なわれた。その結果、格差社会が再生産されました。持っているものを失うことはとてつもなく理不尽なこととされる一方、元々持たざることの理不尽は一顧だにされなかった。今までもそうでしたけど、3・11によってそれが明確になってしまった。そう考えると「希望は戦争」は理想論にすぎなかったともいえます。(p.29)

「元々持たざることの理不尽」が残る。

雨宮処凛がこう語っているところも。
▼雨宮 「働く」って昔はそれなりによいことがあったけど、今は心身ともにボロボロに壊されて社会復帰できなくなるようなこともありますよね。がんばっても報われない人がいるということは誰も言わないけどみんな知っている。言うなれば「全ての綺麗事は嘘」。そういう世の中では、先ほど話したように憲法とか9条というのは最大の嘘、綺麗事になりかねない。…(p.30)

赤木と雨宮は同じ1975年うまれで39歳。若い人だと思っていたけど、もうお二人も40代になるのか。読者の投稿欄などをみると、ご年輩の方が多いのかもという印象だが、たとえばこの二人の対談を読んで、読者はどんな感想をもつのかなーとも考えた。
 
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乱読ぴょん

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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第40回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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