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生物学の歴史(アイザック・アシモフ)

生物学の歴史生物学の歴史
(2014/07/11)
アイザック・アシモフ

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図書館で新着棚を見ていたら、アイザック・アシモフというSF作家(名前だけは知ってるが作品はなにも読んだことがない)が書いた『生物学の歴史』があり、カバー裏をぴらっと見たら「人類は「生命の謎」とどう向き合ってきたか。…(略)…SFやミステリー作品で知られる生化学者・アシモフが博識と文才を存分に発揮し、その長く複雑な歩みをやさしく描き出す。」などと書いてあったので、借りて読んでみる。

原著はなんと50年前(1964年)に出たもの。それが1969年にアシモフ選集のなかの『生物学小史』として訳され、45年後のこの夏に文庫になったらしい(図書館の蔵書検索をすると、この古いほうの本もあった)。

そんなに古い本はどうかなーと思ったけど、50年前の、分子生物学がブイブイいわせはじめたあたり(この本の最後の2章は分子生物学にあてられている)までの歴史を、古代や中世の生物学の話から書きおこした内容は、なかなかおもしろかった。
生物学に限らないのだろうが、今も現役で使われている用語の多くは「ギリシャ語で、○○という意味のナントカ」として名付けられているのが多く(たとえば、動脈という語は"空気の管"という意味のギリシャ語に由来するとか、ペプシンは"消化すること"という意味のギリシャ語に由来するとか)、それと△△さんが発見したから△△ナントカみたいな名付けもわりとあって(クレブズ回路はクレブズさんで、ゴルジ体はゴルジさん…等)、そうか、これは人の名前だったのかと思ったり、よく観察してそのはたらきをつかんだ名付けをしてるなと思ったり。

そして、現代にいたるあいだの、とくに宗教とのタタカイというのか、「生きてるものは神がつくりたもうた」という信仰が今よりずっとずっと強かった時代に、それでも生物の体はこうなってるし、進化はこうなってきたはずだと調べてきた人たちがいたところに、強くうたれた(ガリレオの「それでも地球は回る」のように)。

やはり革命のような社会の激動が起こると、かつての権威はゆらぎ、新たな価値観や考えが浸透するきっかけになるんやなーとも思った。

▼ビュッフォンの死んだ翌年起こったフランス革命は、ヨーロッパを深刻にゆさぶった。変革の時代がやってきて、その間に古い価値は粉砕され、決して回復しなかった。絶対的な権威として王と教会を容易に受け入れることが次々と各国で消え去っていき、初めは危険な異教であった科学的な説を提案することが可能になってきた。(p.69)

(ビュッフォンは「のん気で、保守的で用心深いフランスの博物学者」(p.68)で、44巻の百科事典を書いたそうだ。)

生物学では必ず習うはずの「メンデルの遺伝の法則」も、1860年代にメンデルが発表した当初は注目されず、いちどは埋もれ、後にそれが同時期に別々の3人に再発見された(かれらは自分の研究を1900年に発表した)という話にも、歴史を感じる。

アシモフには、『化学の歴史』という本もあるそうで、これも読んでみたいと思う。

(11/26了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第37回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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