読んだり、書いたり、編んだり 

パパの電話を待ちながら(ジャンニ・ロダーリ)

パパの電話を待ちながらパパの電話を待ちながら
(2009/04/07)
ジャンニ・ロダーリ

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なにかで紹介されてるのを見かけて、図書館で借りてきて読んでみた。

1週間のうち6日間は、イタリア中をセールスしてまわってるビアンキさんは、幼い娘に「あのねパパ、毎晩お話をひとつ、してくれる?」と請われて、それからは毎晩、出先から必ず家へ電話して、娘にひとつお話を聞かせた。この本はビアンキさんが娘に電話で聞かせたいろんなお話を集めたもの、というつくり。

▼どのお話も、少し短めでしょう? 電話代はビアンキさんが自分で払っていたので、あまり長電話ができなかったからです。でも仕事がうまくいったときには、いつもより電話代を奮発して、娘にお話を聞かせました。(pp.5-6)

実にいろいろな話があって、いろんな登場人物?(登場イキモノ?)がいて、毎晩こんなのを聞いたら楽しいだろう、と思った。
私がおもしろいと思った話のひとつは、「進め!若エビ」。

<どうして僕の家族はみんな、後ろに向かって歩くのだろう? 僕は、カエルのように前に向かって歩けるように練習したい。できなかったら、このしっぽが落ちたっていい>(p.72)と思った、ある若エビの話。

こっそり前歩きの練習を始め、練習を重ねるうちに少しずつ上達して… そして自信をつけたところで、家族を呼び集めて、若エビは前歩きをしてみせた。

母エビは嘆き、兄弟エビはげらげら笑い、父エビは「この家でみんなと暮らしたかったら、ほかのエビと同じように歩きなさい。どうしても思いどおりにしたいなら、川は広い。好きなところへ行くがいい。二度とこの家には戻ってくるな」(p.73)と言った。

若エビは家族が大好きだったけれど、別れの挨拶をして、外の世界へ出ていった。そして、かつて若い日には、同じように仲間に前歩きを教えようとしたことがあるという老いたエビと出会う。その結果、自分は天涯孤独だという。「今ならまだ間に合うぞ。わしの言うことを聞け。ほかのエビと同じ暮らしを受け入れるんじゃ。いずれ、きっとわしの助言に感謝するときが来る」(p.74)と、老いたエビは、若エビを諭した。

どう返事をしたものかわからず、でも〈僕は正しい〉と思っていた若エビは、礼儀正しく挨拶をして、再び前へと歩き出す。

▼彼は、遠くまで行くでしょうか? 成功するでしょうか? 世の中の曲がったことをまっすぐに正していけるでしょうか? 私たちにはわかりません。なぜなら、若エビは初めと変わらぬ勇気と決意で、相変わらず前に向かって歩き続けているからです。私たちにできるのは、心から応援することだけです。
 〈よい旅を!〉
(p.75)

このショートショートの作者は、『チポリーノの冒険』の著者でもあるそうだ。チポリーノ、というと、妹が保育園でおぼえてきてよく歌っていた「ゆこうよ ゆこう~よ くじけ~ずゆこう~~ チポリーノ チポリーノ ぼ~くも仲間~~」というのが私の頭で鳴りひびく。あの歌は、『チポリーノの冒険』と関係あるんだろうか?というのが、未読の私には分からない。

(8/11了)

ことし、文庫が出てるらしい
パパの電話を待ちながら (講談社文庫)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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