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すれ違う背中を(乃南アサ)

すれ違う背中をすれ違う背中を
(2012/11/28)
乃南アサ

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前科[マエ]持ち二人のシリーズ、『いつか陽のあたる場所で』の次の巻を読む。これも、単行本のときに読んでいるが、読みなおして、前の巻から引き続き、自分の進むべき方向が見えない、わからない、という芭子が、パン職人を目指すという綾香のように自分も何かを持ちたいと試行錯誤し、これなんじゃないかという仕事を掴もうとしていくところに、自分の関心が向く。

▼働かなくてはならない。
 綾香のように、生業を持たなくてはならない。
 ただ単に生活のためというだけではない。これから先の人生を、多少なりとも自信を持って歩んでいくため、誰に頼ることもなく、一人で暮らしていかれるようになるため。そして何より、夢とか希望とかいわれるものを抱くためだ。生きていてよかったと思えるようになりたい。最後の最後に、後悔したくない。それを、ここしばらくずっと考えてきた。(pp.81-82)
私はフト、自分が転々としてきた職場と、そこでやってきた「仕事」のことを考える。「生活のため」ではあるけど、それだけとも言えない。その「それだけとも言えない」ところって、私にとって何やろ?と。

文庫解説を、堀井憲一郎が書いていた。むかし週刊文春で「ホリイのずんずん調査」を書いてた人だ。乃南アサとは、大学の同期にあたるらしい。その堀井の解説のなかに、こんなところがあった。

▼想像しないということは、人間の可能性をどんどん減らしていきます。小説を読むと、いままで想像できなかったエリアに対しての想像力が育まれて、世界が広がっていくので、そこがいいやねえ。この小説[新米警官の物語『ボクの町』]を読んで以来、どの交番の前を通っても私は必ず中をのぞきこんで、それぞれの警察官の顔をよく見るようになってしまいました。この人はどういうタイプの人なんだろう、と想像して、この人たちもふつうの人間なんだよな、当たり前のことを改めて確認して、また歩き出してます。(p.312)

何かあれば(とくに不祥事方面があれば)、「警察官が何をやっとるんや」みたいな気持ちになることは、私にもある。だけど、それは「警察官」だからどうのこうのというより、「人として、どうなん?」ということだろう…と、考えなおしたりする。「警察官」として仕事をしている人も、一人の人間、一人一人違う人間なんだよな…と、堀井解説を読んで思い、それと、想像力で世界が広がるというのがええなーと思った。

(8/11了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第44回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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