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風の墓碑銘(エピタフ) 上下(乃南アサ)

風の墓碑銘(エピタフ)〈上〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫) 風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)

音道貴子のシリーズ、この上下巻も前にいちど読んだような読んでないような…記憶がアイマイ。文庫で上下巻のなかなかのボリューム。捜査線上の点と線をたどっていって、何度も(こいつが犯人か?)と思わせながら、ちがーう。

民家の解体現場から出てきた白骨死体が3つ。1つは胎児か嬰児かも分からない小さな骨。貸家だったから、家主に訊いて借りていた店子が分かればそう難しい捜査ではないだろうと思うが、もちろんそうはいかない。

家主のじいさんは認知症を発していて、老人ホームにいる。夏の暑いなか、老人ホームに何度も通って話を聞こうとするが、じいさんに話が通じるかと思えば、ぜんぜん分からなくなったり、ふらふらと徘徊に出たりで、はかばかしい成果なし。しかも、このじいさんが殴り殺されてしまう。

捜査本部が設置されて、音道は、ベテランのおっさん刑事・滝沢と組んで、靴底をすりへらして歩きまわる。捜査の中で、20年以上もさかのぼる父娘の惨殺事件も浮かびあがる。別々だと思われていた事件が、実はつながっていたことが、明らかになってくる。
音道と滝沢、それぞれのやり方、考え方があり、そのどちらかだけが優れているわけではなくて、捜査現場や相対する人を2人で見ていくことで、1人だけでは見えなかったことが見えてくる。互いに煙たく思うところや、いらっとするところはありつつも、2人が相方として発揮する周到さや直感が、捜査をわずかずつでも前へ進めていく。そういう「お仕事」話として読めるところも、おもしろかった。

私の印象に残った箇所のひとつは、家主のじいさん・今川篤行の娘が、話を聞かせてくださいという警察に対して言うこんなセリフ。

▼「いいですけど─私、誰の奥さんでも、ないですから。名前で呼んでください。今川さんでも、季子さんでも、何でもいいです」(上巻、p.62)

「奥さん」とか「ご主人」とか、相手がよく分からない段階で、なかなかそれ以外に呼びようがないことがあるのは分かるけど、名前が分かった相手をいつまでも「奥さん」呼ばわりするのは、鈍感なのか、単に面倒なのか。「名前で呼んでください」と、こういうときにすらっと言えるのは、ちょっといい。

(8/2-3了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第44回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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