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大きい1年生と小さな2年生(古田足日さく、中山正美え)

大きい1年生と小さな2年生大きい1年生と小さな2年生
(1970/03/01)
古田足日さく、中山正美え

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古田足日が亡くなったと知って、この『大きい1年生と小さな2年生』が読みたくなり、近所の図書館にあったのを借りてきた。私が子どもの頃に読んだのは、水玉もようの偕成社文庫だったけど、この単行本は1970年が初版で、私が借りたのは2004年の186刷だった。『おしいれのぼうけん』はもっと刷り数いってるのかも。

さし絵もなつかしい(とくに、ホタルブクロをどっさり抱えたまさやの顔が)。私は1年生になったとき、クラスでいちばん後ろに並ぶ背丈だった。大きい1年生のまさやに、それでちょっと共感したおぼえがある。小さな2年生のあきよは、なんだかラモーナのようだった。3年生にも、週番の5年生にもむしゃぶりついていく。

しっかりしなさいとばかり言われるまさやは、あきよちゃんみたいになればいいんだとあきよをよくよく気をつけて見る。「しっかりする」ということは、5年生の週番とでもケンカすることなのかなあ、泣かないことなのかなあ。よく涙が出てきてしまうまさやは、あきよの行動を見て考える。
ホタルブクロが神社の森にあったと聞いて、あきよとまり子が行ってみるというのに、こわごわながらまさやもついていく。まり子が「このみちは、一どしかとおったことのないみちだから、おもしろいわね」と言い、「一どもとおったことのないみちのほうが、おもしろいわ」とあきよが答えるのを聞いて、まさやはびっくりする。自分はいつだって、初めてのところはこわい、二度目のところだって心配なのに、2人はそうじゃない…ぼくも2年生になったらそうなれるのかしらん。

でも、ちょっと心配だけど、初めての道がおもしろくなっていることにまさやは気づく。「ぼく、大はっけんしたよ。子どもにはね、たいていのみちが、はじめてのみちなんだ」。

そうして3人で、3つの神社をまわって、さいごの「おるすのかみさま」で見つけたホタルブクロ。がけっぷちに咲いていたその花を、まさやが木の幹をしっかりつかみ、そのまさやと手をつないだあきよが手をのばしてとった。その帰り、狭い道でつっこんできた自転車にホタルブクロはふみつぶされて、あきよが泣くのをまさやは初めて見た。

それから1週間たって、おかあさんとけんかしたまさやは家出する。財布をもって、それから1年生歓迎会のときにあきよがくれたレイをもって。あきよちゃんのところへ行っても、まりちゃんのところへ行っても、2人には会えず、財布のなかのわずかな小銭をみて、まさやは一本スギのところまでいって、そこからバスに乗っておじいさんのところまで行こうと考えた。

あきよでさえまだ行ったことのない一本スギの森へ、まさやが歩いていけるのか。「ぼくは、3年生ぐらい大きいんだ。それに、男の子なんだ。一本スギぐらいまでいけるさ」と自分に言い聞かせて、まさやは歩き出す。道々、レイの花をちぎって、道端に置きながら。途中のおるすのかみさまで、「ぼく、ホタルブクロをとりにいくよ。あきよちゃん」と地面に字を書いた。

まさやは、そこから、こわくなったり、不安に思ったりしながらも、分かれ道では目印にレイの花を置きながら、歩いて歩いて歩き続けた。よわむしだったまさやが、あきよにもらったレイを持って、迷ったときには(あきよちゃんならどうする)と考えて、とうとうホタルブクロがどっさり咲いてる一本スギの森で、もちきれないほどの花をとった。

このまさやの家出の冒険のようなところが話のメインかなーと思いながら、「チビ女のくせに」などと男子に言われながら、ぜったいに負けないあきよの姿が、なんだかなつかしかった。私も「オトコオンナ!」とか言われながら、男子と"決闘"したなーと思い出す。あきよと同じ小さな2年生のまり子が「けんかしちゃ、いやよ」とのんびり言うのもなつかしいシーンだった。

(6/9了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第42回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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