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ゆうかんな女の子ラモーナ(ベバリイ・クリアリー作、アラン・ティーグリーン絵)

ゆうかんな女の子ラモーナゆうかんな女の子ラモーナ
(2013/10/08)
ベバリイ・クリアリー作
アラン・ティーグリーン絵

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表紙カバーのレンガの壁を蹴っているらしきラモーナのイラストに、何かをそそられて借りてくる。他にも「ラモーナ」の本があるのは知っていたので、ラモーナのシリーズかと思ったら、これはもともと「ゆかいなヘンリーくん」シリーズというもので、主人公はヘンリーくんらしいが、シリーズ後半の7冊ではこのラモーナが主人公!

お姉ちゃんが公園で男の子たちに名前でからかわれたとき、ラモーナは前へ出てお説教してやった。おまけに、親指を耳につっこんで、あとの指を振りながら、舌を出してやった。
自分はお姉ちゃんをかばったのだと思い、そのことをお母さんに話したくてうずうずしていたら、お姉ちゃんは、ラモーナがしゃしゃりでて説教したことや舌を出したことを「はずかしいったらありゃしない」と言いつのる。自分はゆうかんな女の子だと思っていたのに、そうではなくて、おっちょこちょいで、人に恥をかかせるような子だったのか…ラモーナの自信はガタガタにくずれる。

おまけに、わけを話したら、おかあさんまでおかしそうな目をして笑うのだ。「だれも、ラモーナの気持ちなんか、わかってくれないのです。」

9月、1年生にあがったラモーナは、待ちに待った学校へ向かう。みんなにも先生にも話したくてたまらないのだ。だって、夏のあいだに、うちには穴があいたんだから!おしいれだったところをぶちぬいて、家を裏庭のほうにすこし出して、そこに小さな部屋ができるのだ。新しい部屋は、まずラモーナが6ヵ月使って、それからお姉ちゃんと交替する。

「見せましょう、話しましょう」の時間に、手をあげて、みんなの前で「男の人が来て、うちの家の裏っかわ、割って、ものすごく大きな穴あけたんです!」と話し始めたのに、みんなの反応は予想外に低調で、先生もなんのことか分からないという顔をしている。

一緒にその穴から飛びおりて遊んだハーウィが知ってるんだと言ったのに、ハーウィは「ちがうね」と言うのだ。カーッときたラモーナは「あけたじゃない!」「自分も穴からとびおりたじゃない!」と大声をあげて、先生から「教室の中ではどなったりしないんですよ」と言われ、席へ返される。屈辱の涙が目をさしたが、ぐっとこらえたラモーナ。

自分の気持ちが分かってもらえない、自分の言いたいことが伝わらない、おとなに誤解され、まわりの子には笑われる。それで腹が立ったり、悔しかったりするラモーナのぐっとこらえる気持ちや、ぶつけずにいられない感情が伝わってくる。

ラモーナは、ものをつくるのが好きで、こうしてああしてこうやったらできると頭にイメージできる。いつもの通学路とちがう道を歩いて学校へ行った日、とちゅうで大きな犬が寄ってきて、追っ払おうと靴を投げたら、犬にもっていかれてしまった。片方の靴で登校したラモーナに、先生は持ち主の分からない長靴をはいていていいと言ったけど、あんなもん、ぜったいはくもんか!

ラモーナは、くつを自分でなんとかしようと考える。厚紙とホッチキスがあればスリッパをつくれる! ラモーナが、トイレの紙タオルを重ねて折ったのを、パチンパチンとホッチキスで留めてスリッパをつくる場面は、読んでいてウキウキする。

お姉ちゃんの教室へ行って、親切なカルドーザ先生に「先生のホッチキス、かしていただけませんか」と頼むこともできた。苦手だと思っていたグリッグス先生には「とてもりっぱなスリッパができたわね」と言ってもらえた。ゆうきをだして「あたし、おんぼろ長ぐつ、はきたくなかったんです」とも言えた。

そして、犬の歯形がついたくつも戻ってきた!「くつぬいで投げつけたんだって! まあ、あんた、よっぽどゆうかんな子なんだわねえ」と秘書のミラーさんは感心して言った。みんなに、くつについた歯形を見せびらかすために、ラモーナはぴょんぴょんはねながら教室に帰る。

訳者の松岡享子が、大学で幼児教育を教えている友人が「児童心理の本を何冊読むよりも、ラモーナの本を読んだほうがよっぽど子どもの気持ちがわかる」と言っているのに自分も同感だとあとがきに書いている。

このラモーナの本が訳されて出たのは私が小学校に入った年らしいのだが、残念ながら、小学校ではラモーナに出会わなかった。この1年生のラモーナの話を読んで、古田足日が亡くなったニュースを知ったとき、『大きい1年生と小さな2年生』を読みたいなと思った。このラモーナの話の、前後のシリーズも。

(6/9了)

旧版の表紙は、ラモーナがブランコを思いきりこいでいる姿だったらしい。この絵もイイ。

ゆうかんな女の子ラモーナ
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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