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中卒の組立工、NYの億万長者になる。(大根田勝美)

中卒の組立工、NYの億万長者になる。中卒の組立工、NYの億万長者になる。
(2013/01/25)
大根田勝美

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『本格小説』に出てくる東太郎の"モデル"という人の自伝。そのことは、ご本人が「あとがき」で、こう書いている。

▼「…『本格小説』は長い長い序章で始まるが、あそこに出てくる東太郎という主人公は、オリンパスの駐在員としてアメリカに渡ってから独立を果たすまでの私である。
 もちろん小説だから一種のフィクションではあるが、実話もたくさん出てくるし、水村さんはご自身のご家族に関しては実際のエピソードを盛り込まれているので、どこまでが本当でどこからが創作なのかを判断するのがよけいに難しい」(p.219)

あわせて、『本格小説』では東太郎が日本人女性と中国人男性との間に生まれてきたとされているが、「私は正真正銘の日本人であり、日本人であることに誇りを持っている」(p.219)とも。

水村美苗が「文庫版に寄せて」として巻末で、大根田さんの話を使う承諾を得ようと手紙を出すと「小説なんだから、好きに書いていいんじゃないですか」(p.235)とすぐに国際電話で返事があった、と書いている。
たしかに、細部のエピソードは『本格小説』と重なるところもずいぶんあった。大根田さんが英語を勉強したエピソードは、小説以上におもしろく、またすごいなと思った。

東太郎と大きく違うひとつは、大根田さんはアメリカへ渡る前に結婚した妻の淑さんがいて、アメリカへ駐在して1年後に呼び寄せてからずっと、大根田さんがオリンパスを辞めて独立しようというときも、その後のいくつかの転機でも、淑さんが一貫して大根田さんについていっていることか。

大根田さんの自伝のキモは、4つの章のタイトルどおり、「ビジネスのタネは道端にあり」「チャンスの神様の前髪をつかめ」「群れの中のエリートより一匹狼になれ」「会社を「売る」ことこそ最大のビジネス」というところにある。

私は『本格小説』への興味で読んだので、「誰でも億万長者になれる究極の教え」(文庫の裏表紙に書かれている文言)にはあまり関心はなかったけれど、久しぶりにこんな「ビジネス」方面の本を読んで、自伝であろうと小説であろうと一人の人が生きてきた道はやはり興味がもてるし、まるで別世界ではあるものの億万長者といわれる資産をもつ人がアメリカという国でどんな言動をするのかという点もおもしろいと思った。

(5/31了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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