読んだり、書いたり、編んだり 

グレイがまってるから(伊勢英子)

グレイがまってるからグレイがまってるから
(1996/12)
伊勢英子

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伊勢英子のこの本を久しぶりに読みおえたら、奥付の脇に私は日付とサインを入れていた。これも1999年に買った本のうちのひとつだったかと思いだす。母が死んだ春のあと、死がどうのこうのというような本を一時期ずいぶん買ったのだった。

伊勢英子がグレイという犬のことを描いた本は、『気分はおすわりの日』を読んで、そのあとに文庫になっていたこっちの本を買ったのだった気がする(あるいは逆か)。

伊勢英子を初めて読んだのは『カザルスへの旅』で、その名と絵をくっきりおぼえたのは、のちに『「死の医学」への日記』としてまとめられた柳田邦男による毎日新聞の連載だった。伊勢さんは週一度の連載に挿絵を描いていて、私は当時、毎週それを切り抜いていた。(連載時の伊勢さんの絵は、『画集「死の医学」への日記』として別に本になった。)

今しらべてみると新聞連載は1994年のことで、その年の春には祖母が急死した。それで私はあの連載を切り抜いて読んでいたのかもと思う。
グレイの本に、どこからたどりついたか忘れてしまったが、文庫になったこの本の末尾には、伊勢さんの一家にハスキー犬のグレイがやってきて、そして4年後に悪性の進行ガンがみつかり、グレイが死んだことが書かれている。

「時の観念も死への不安も、ヒトが作り出したものにすぎないから、イヌは臨終かもしれない今日を平気なカオして生きていられるのです」(p.184)と獣医が言ったことばを伊勢さんは書きとめている。

この本のなかで自身を一人称では書かず、「絵描き」と書いた伊勢さんの距離のとりかたが、グレイの死に際してもよかったのかもしれないと思った。かなりのページを占める「絵」のかずかずに、伊勢さんは「絵描き」だなアと思う。

(5/26了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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