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高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか?(大理奈穂子、栗田隆子、大野左紀子、水月昭道)

高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか?高学歴女子の貧困
女子は学歴で「幸せ」になれるか?

(2014/02/18)
大理奈穂子、栗田隆子、大野左紀子
水月昭道(監修)

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図書館で予約していた『高学歴女子の貧困』がまわってきて読む。読みはじめてみたが、正直つまらなくて、途中から(もう読まずに返そうかなー)と思いながら、もうしばらく読んでいた。

最後の章、4人の著者のうち、大野左紀子さんが書いた部分にたどりつき、その5章「「アート系高学歴女子」のなれの果てとして、半生を顧みる」はわるくなかった。大野さんの別の本『アーティスト症候群』もぜひ読んでみたいと思った。でも、それ以外の人が書いた箇所は、私にはかなりイマイチだった。
イマイチと思った点はいろいろあるが、議論が雑で(調査のデータや他の人の論文を示しているが詰めが甘い)、そもそも「高学歴女子」という定義がアイマイで(大学院の博士課程まで行った人の話か?と思うと、大野さんは学部卒なのだ)、博士論文通ってない人を「博士」と書いていたり…というのが主。研究職と教育職の話をさりげなく(わざとか?)混ぜて書いてるところも議論が雑な感じを受ける。監修の人はある大学の評議員と書いてあったが、これを「ヒラの大学職員」と言うのは違うでしょう。

大野さん以外の著者3人(監修者含む)が書く「「女性」ということで壁がある」話は分からなくはないのだが、その下敷きになってるのは「高学歴=もっと地位もお金ももらえるはずなのに(そうではない)」というココロのようで、私は、そのココロに違和感があるのかもなーと思った。この本の第1章のタイトルは「どうして女性は高学歴でも貧困なのか」というのだ。

「高学歴」を信仰しすぎな気もした。たとえば「仕事をできるかどうか」に、学歴はいうほど関係ないだろうと思うが、読んでいると、大野さん以外の3人は、暗黙のうちに「高学歴=地位も収入も高くて当然でしょ」と前提にしてるようで、私にはそこがうまくのみこめなくて、つまらなかったのかもしれない。裏返して「学歴が低い=地位も収入も低くてあたりまえ」なのか?と考えてみると、違うだろうと思うのだった。

大野さんは、自分にとって直接サベツだというのはなかったけれど、それでもこういうところやこういうところは、やはりジェンダーの問題じゃないかと自分の経験を丁寧に述べながら書いていて、読みやすかったし、なるほどと思えた。これはライターとしての経験の差なのか、あるいは年の功かと思った。

「アートは会社の仕事とは違う。それはお金にすることもできるが、本質的にはお金のためにすることではない」(p.166)と大野さんが書いているところが、私には印象深かった。大学院へ行く(≒研究する)というのも、お金になることもあるかもしれないが、お金にならなくてもやってみたいことなんじゃないのかなーと思ったりした。そのぶん、浮き世離れすることもあるのだろうけれど。

大学も含め、学費が高すぎるのが根本的な問題のような気がする。

(5/22了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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