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ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法(津村記久子、深澤真紀)

ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法ダメをみがく
“女子”の呪いを解く方法

(2013/03/28)
津村記久子、深澤真紀

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「ブックマーク」80号でも紹介されていて、そのうち読んでみたいと思っていた本を、発刊から1年余り経ってやっと読む。

津村さんの本は『カソウスキの行方』を読んだのが最初だった。そのあと、当時の同僚さんとおもしろいおもしろいと二人して出てた本を追いかけて読み、大阪に住んではるというので出版社経由で問い合わせて、職場のイベントで話をしに来てもらったこともあった。その後も、雑誌掲載を見つけたら読んだり、本になったのも読んでいる。この5月からは日経電子版で「しごと連作」と題した連載が始まっていて、こないだ第1回を読んだ。

深澤真紀さんは「草食男子」を命名したとかで名前はなんとか知ってるけど、著書はたぶん読んだことがない(編集者としても仕事をしてはるので、何かは読んでるのかも)。

この『ダメをみがく』は、二人それぞれの「ダメさ」を知ってほしいという津村×深澤の対談で、「仕事編」と「生活編」で仕切って整理されていて、目次の小見出しをずらずら読んでいくだけでも、なんかおかしい(この小見出しずらずら目次だけで6ページ)。
私は「ダメをみがく」というメインのタイトルばっかりおぼえていたが、最後まで読んだあとは、サブタイトルの「"女子"の呪いを解く方法」という中の「呪い」が、すっと腑に落ちる気がした。ちょっと前に『感応連鎖』という、いわば"母の呪い"系のような小説を読んだせいかもしれない。

"女子"の呪い=女はこうあるべき、みたいなこと。最近は「女子力」がどうのこうのという言い方が出てきて、「女というものの属性に対する呪いが増えているなあと思うんですよね」(p.171)と深澤さんが語っている。

そして"母の呪い"=娘へのアドバイス、あんたのことはお母さんが一番よく分かってるよ、みたいなやつ。これは合う娘も時にはいるのだろうけど、合わない娘もいるわけで、「うまくいかない家族関係は諦めたほうがいい」(p.142)というのは、ほんまそうやなと思う。適切な距離をとるのも大事やと私も思う。

「ダメななりに、あかんとこにはちょっとパッチあてて、いいとこをなんとかのばしながら、こうやってしのいでる」という二人の工夫があれこれと披露されていて、読んでいると(そこまで言いますか!)と思うところもあるが、そういう工夫が「呪い」を解くには大事やねんでというのが、じわじわと伝わってくる。

タイトルからして、そんなんは出てこないやろうと分かるようにしてあるけど、ほんまに「自己実現」とか「努力」とか「女子力を磨く」などというのは全くない。そういう方向に努力する人を止めはしないけど、呪いに煽られてへんか?というツッコミはあってもええんちゃうかと思う。

あと、「瞬発的な嫌さみたいなのはノートに書いたらいいんですよ。自分だけの。」(p.201)という工夫は、私も同じやなーと思った。

本の装画は『暴れん坊本屋さん』の久世番子さん。深澤さんの著作もこんど何か読んでみようと思う。

(5/1了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第37回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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