読んだり、書いたり、編んだり 

物語ること、生きること(上橋菜穂子、構成・文 瀧晴巳)

物語ること、生きること物語ること、生きること
(2013/10/16)
上橋菜穂子
構成・文 瀧晴巳

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上橋菜穂子さんから話を聞き、この本を構成して書いた瀧晴巳さんという人は、サイバラの本(『この世でいちばん大事な「カネ」の話』)をまとめた人でもあるらしい。

上橋さんが、次々と作品も書きつつ、大学で「文化人類学」をやってる学者だというのは、どういう具合になっているのかと(森博嗣のような人なのか?と)前から思っていたが、作家になりたい、漫画家になりたい、という思いがまずあって、その後、作品のためにあれも知りたいこれも知りたいという中で、「わが身で経験せよ」という文化人類学に進んだということだった。

上橋さんがこれまで読んできた本、その本のどこにどうワクワクしたか、こういう視点がおもしろかったというような話がいっぱいあって、読んでみたいと思う本がたくさん出てきた。巻末にそれらのリストがあるのもいい。
私がとくに読んでみたいと思ったのが、上橋さんが高校生のときに読んだという『コサック軍 シベリアをゆく』。それと、こないだの「ブックマーク」81号でも紹介されていた、サトクリフの『第九軍団のワシ』

▼コサックは、ロシアの少数民族です。エルマークは、それまでコサックたちを率い、辺境を生きる術として略奪を繰り返していたのですが、シベリア遠征を命じられたことで、この戦いに勝てば、ロシア皇帝に自分たちのことを認めてもらえるんじゃないかという気持ちが芽生えます。
 つまり、これは戦争を描きながらも、支配される側のマイノリティと支配する側のマジョリティの関係を描いた物語でもあるのです。(pp.72-73)

▼…サトクリフという作家のすごさは、その先の物語を書いたところにあります。互いの壁を越える難しさをきちんと描いたうえで、異なる文化や背景を持つ人間と人間が向き合ったときの関係を、しっかりと見つめようとしたのです。(p.78)

「獣の奏者」シリーズの最初の2巻が出たときに読んで、そのあと単行本の厚さもあってつい途絶えてしまっていたが、全巻揃って、文庫もあるいま、まとめて読もうと思った。「守り人」シリーズも。

作家になりたいという人に向けたことばのなかの、「経験は大切です。でも、べつに、人と違うことをたくさんしなければいけないということではなくて、むしろ、人と同じことをしていながら、そこに人とは違うものを感じ取ることのほうが大切だと思います」(p.172)というのが、ええなーと思った。

(4/17了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第42回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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