読んだり、書いたり、編んだり 

夏の階段(梨屋アリエ)

夏の階段夏の階段
(2009/05/11)
梨屋アリエ

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アンソロジー『手紙。』に入っていた「雲の規格」を含む5篇をまとめた『夏の階段』という本があるとおしえてもらって、借りてきて読む。巴波川(うずまがわ)高校を舞台に、5人の視点でそれぞれ物語が書かれている。

疾風怒濤のとしごろ、多かれ少なかれ学校で見せている顔とは違う自分があって、そのズレに悩んだり、同級生には見られまいとしたり、自分は誤解されていると思ったり…している。

といっても、同級生がそんなに周りのことを見ているかというと、みんな自分のことでいっぱいいっぱいで、そうでもなかったりするのだ。大人になったら、なんであんなことで悩んでたんやろ…というようなところで、いらいらし、どきどきし、はらはらしている。

そして、視点が変わると、同じ人物の印象もずいぶん変わる。「雲の規格」でポエミー緑川として出てきた千映見も、河野健治が友人としてつるんでる福田も、河野視点を離れてみると、違うたたずまいが見えてくる。
そういう落差をとりわけ感じたのは、遠藤珠生だ。前から順に、視点の異なる物語を読んできて、5本めが書き下ろしの遠藤視点の話。他の章に比べて長い。

能天気な、目立つ女子。明るいイイコ。やや空気読めない系。遠藤に対して、私がばくぜんと抱いた印象は、本人の語りでは、どうも全然違うのだった。

高校生のころを、ぼんやりと振り返って、私が「こんな人だろう」と思っていた、あの人やこの人は、もしかしたら全然違ったのかもしれへんなーと、急に気づいた感じ。たぶんその逆もあるのだろうなと、いまさら思う。

(4/15了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第40回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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