読んだり、書いたり、編んだり 

光の闇(佐伯一麦)

光の闇光の闇
(2013/04/24)
佐伯一麦

商品詳細を見る

なんだか寝付けず、いちど起きて本を読む。
カバーの絵は松本竣介の「水を飲む子ども」。収録作にも竣介の絵にふれたものがある。

「あとがき」に著者はこう書く。
▼ずいぶん前から、欠損感覚を通して身体感覚を探ってみる小説を書いてみたいと思い続けてきた。

 身近に、聴覚や視覚をうしなった知人がいたこともある。また、自分自身がアスベスト禍に遭い、身体の内面に思いを寄せることが多くなったせいもあるかもしれない。(p.210)

著者は「欠損」感覚と書くが、さいしょから、少なくとも物心がついて以来その感覚はなかったのだという人の話もあって、それはたとえば「生まれたときから聞こえなくて、それが私にはアタリマエ」というようなことで、そういう感覚や経験には「欠損」ではなくて、なにか別のことばがあればいいのになと思った。
いわゆる"障害者"モノ、として読むこともできる小説は、「ないこと」や「失ったこと」は、ただマイナスや不幸せではなくて(苦労や不便はあるのだろうけれど)、その状態と感覚のなかで生きている人たちがしっかりと伝わる佳作だった。

結局、さいごまで読んでしまってから、また布団に入って寝た。

(4/14了)

*2年前の生誕100年の年にいくつか読んだ松本竣介がらみの本
『青い絵具の匂い─松本竣介と私』
『求道の画家 松本竣介―ひたむきの三十六年』
『松本竣介 線と言葉』
『舟越保武全随筆集―巨岩と花びら ほか』
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/4940-d9315df7
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ