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〈男文化〉よ、さらば―植民地、戦争、原発を語る(辛淑玉、富山妙子)

〈男文化〉よ、さらば―植民地、戦争、原発を語る〈男文化〉よ、さらば
―植民地、戦争、原発を語る

(2013/09/05)
辛淑玉、富山妙子

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借りてきたブックレットのタイトルを『異文化よ、さらば』と見間違っていた。異文化にさらばって、どういう意味や?と思いながら、辛淑玉と富山妙子の組み合わせに興味があって借りてきたのだ。よく見たら「男」文化だった。

冒頭で、辛淑玉はこう書く。
▼「男」という存在は、どうしてこんなに進歩がないのだろうか。
 「女」は、奴隷状態から着実に這い上がってきた。しかし男は、暴力、支配、金と力を決して手放そうとしない。考古学者によると、余剰の富が生まれてから人殺しが始まったというが、弥生時代から始まった人殺しを、今も懲りずに続けているのだ。(p.2)

いきなりこうくると、「男」と十把一絡げにまとめないでくれという人もいるやろなと思う。思うけども、辛淑玉がこう書き始めた「はじめに」の末尾で、「殺してもいいという命があるという点では、国境を越えて、どいつもこいつも同じなのだ。弥生時代から退化し続けている「男」たちに未来を預けてはいけない。」(p.3)と書くのもわかるー、と思う。
栗田隆子さんが『We』で連載している「「気持ち悪い」男」で、"運動"内の違和感を書いている。それは「男」に限らないのやろうなーと思いながら私は栗田さんが書くのを読んでいる。でも、あえて「男」と書くのは、このブックレットで〈男文化〉と名指すのと、同じなんやろうなと思う。

そういうのを、辛淑玉はこんな風に語る。
 「天皇反対」と言っていて、自宅では自分が「天皇」をやっているんだから、だめだよね(笑)。左翼の子って、みんな右翼になるでしょう。あれはやっぱり、おやじの生き方を問うているんだと思うわ。外に向かってはいいこと言って、「世界平和」って、内では家庭不和だよね(笑)。いかに男がアホかという。見事なもんですね。(p.47)

"人権"とか"反差別"という世界でも、はぁ?と思うことは時々あって、そういうのが私も気持ち悪くて、どうしてもモヤモヤとする。これはこれ、と割り切って、その"運動"を応援したりがとてもできへんなと思うことが少なからずある。「自分は正しいこと、イイことをしてるんや」という傲慢さえ感じてしまうことがある。「悪気がなくても、悪いもんは悪い」と思う。

辛淑玉と富山妙子が"2013年の社会の「空気」"と語るところ、東アジアはなんという時代になってしまったんだろうという箇所、日本では岸信介の孫が首相に返り咲き、朝鮮半島の南では軍事独裁政権を築いた朴正煕の娘が大統領に当選し、朝鮮半島の北では金日成の孫が最高指導者となった、しかも韓国の大統領選では、金芝河が朴槿恵を支持したといい、辛淑玉は「権威となった男の主義主張を信じちゃいけない(笑)」(p.55)と語っている。あーほんまに。権威となった女の主義主張もときどきヤバいけれども。

(3/8了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第37回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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