読んだり、書いたり、編んだり 

男友だちを作ろう(山崎ナオコーラ)

男友だちを作ろう男友だちを作ろう
(2011/06/11)
山崎ナオコーラ

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「ブックマーク」81号にもらった本のアンケートで、「インタビューとエッセイが合体したような、新しいスタイルの読み物だと思った」とあったのを読んで、もともとナオコーラを憎からず思っていたし、読んでないナオコーラ本だったので興味をもって借りてきて読む。

インタビューが、インタビューされた人のことを聞き出していくようで、半面ではインタビューしている人のことをうつしだす、というようなものかなあと思いながら読む。対談相手をつうじて、ナオコーラのことが見えてくるというか。

そして、そういうナオコーラとどなたかとの対談を読みながら、私はこの頃「仕事」ということが気になっていたのだなあと思う。
○石川直樹さんとの対談で、石川さんの『最後の冒険家』『いま生きているという冒険』を読んで面白かったというナオコーラが、自分のことを語っているところ。

▼…自分の話なんですが、私は最近「なんで仕事をするんだろう?」という疑問が湧くようになっていたんです。25歳くらいまでは、お金がなくて、あと、すごく大人しかったから、自分の話を聞いてもらえたり、自分の書いたものを読んでもらえたりという経験が少なかったんです。だから、26で作家になれたときはとにかく嬉しかったんです。仕事が楽しかったんですよ。本を出してもらえて、読者がいるなんて信じられない、次の本も良い本にしようって。それしか考えてなかった… でも、今30で、生活に困るほどお金がないわけじゃないし、仕事をして何か人生に繋がるとか、人として認められるとかがあるわけじゃないので、社会的な地平では「仕事をする意味」がよくわからないなって、急に思い始めて。…(p.65)

▼…ただ、私の仕事は毎日こつこつ書いて、褒められることのない地味なものだけど、「この世界に今までなかった文章を書きたい」と思いながら書いているから、私にとっては書くことが冒険なんじゃないかなって(p.66)

○ファッションデザイナーのスズキタカユキさんとの対談で、紙に名前がついている、そういう紙を研究してつくりだしているおじさんの名前は本になったときに出ない、というナオコーラの話にスズキさんが答えているところ。

▼…そういうのは、僕も思います。suzuki takayukiっていう自分の名前が出るけれど、自分以外の人の方がいっぱい働いている。… 普段は名前が出ない、っていう人が面白い。それはありますよね。面白い人、いますもん、工場とかに(p.83)

○筑摩書房の担当編集・石島裕之さんとの対談で、この対談連載をどういうふうにという話をしているところでのナオコーラの発言。

▼「あと、インタヴューっていうような、ライターさんの真似をするような文章ではなく、作家ならではの文章にしていけたらいいな、って思います」(p.130)
 これを説明するように、ナオコーラは「対話の文字起こし、状況の説明、ではなく、小説家としてのエッセイを書きたい。私は男の人のことを、上手く書けるようになりたい。」(p.130)と語っている。

ライターと、作家と、なにがどう違うのか、ここはわかるようで、いまいちわからず。

○ミュージシャンの中原昌也さんとの対談で、お金の話をしているところ。
▼中原さんは、お金がない話をしても、品がある。それにしても確かに、自分のやっていることに値段はつけ難いものだ。私もそれは感じる。私が日々していることも、仕事なのか、なんなのかわからない。(p.205)

○小川てつオさんの「自分たちで公園を作っていく」(p.147)というつぶやきに、ナオコーラは「私はまだ公共性という言葉を深く考えたことがなかった。公園ってなんだろう、と初めて思った」(p.147)と言う。

相手があって、やりとりしていくなかで、自分に「はっ」と切り込みが入ってくる感じ。そういう対談を読んでいると、読んでいる私にも「はっ」が来たりする。

(2/8了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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