読んだり、書いたり、編んだり 

嫌な女(桂望実)

嫌な女嫌な女
(2013/05/14)
桂望実

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持って帰るのに軽いので、文庫棚からなにか…と新しめのものを借りてみる。同い年の二人の女を描きながら、話は進む。天性の詐欺師かという小谷夏子。そして、その夏子の遠縁にあたる弁護士の石田徹子。

袖触れあうも多生の縁というのか、たとえば飲み屋で隣り合った男と話しながら、男にわくわくと夢をみさせるのが夏子は天才的にうまい。これまで関わった男たちは、夏子といると楽しくなるという。

遠縁でもあり、そんな夏子とすっかり縁のなかった徹子のところへ、17年ぶりに連絡がくる。24歳の新米弁護士の徹子は、夏子の困りごとの相談に乗り、担当弁護士として問題の解決に動く。担当といっても、夏子よりも、相手の男に同情しそうになる徹子だったりする。

それから数年おきに、夏子が困ったときに、徹子に連絡がくる。夏子は結婚したり、離婚したり、若いのとつきあったり、年寄りに取り入ったり、各地を転々としながら、あいかわらず詐欺師である。若かった徹子も、そして同い年の夏子も、順当に歳をとっていく。さいごの話では、徹子は長年つとめた事務所を引退している。

そういう年月の流れを描いているところが、姫野カオルコの『昭和の犬』のようでもあるなと思った。
文庫としてもけっこうな厚さの500ページ弱を、ぐいぐい読ませる。夏子や徹子以外の登場人物もいい。とくに徹子がつとめた事務所の先輩弁護士・荻原、そして事務員のみゆき。

とくにこのみゆきの言動には、親しい年上の女性が、きっと職場でこんなだろうなと思わせるところがあって、私にとっては第三の主人公のようにも思えた。これは、女友だちの話でもあるのだ。

(11/16了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第37回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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