読んだり、書いたり、編んだり 

本屋の眼(平野義昌)

本屋の眼本屋の眼
(2006/12)
平野義昌

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ときどきのぞく碧野圭さんのブログで、海文堂閉店を知る(http://aonokei.cocolog-nifty.com/syoten/2013/10/post-b1dd.html)。前々からいちど行ってみたいと思いながら、海文堂へは行けずにおわってしまった。碧野さんのブログにも出てくる平野さんの本、図書館にはないかなと思ったが、あったので借りてくる。7年前、2006年の暮れに出た本だ。

巻末の解説を書いているのは畠中理恵子さん、書肆アクセスの店長だった人だ。このアクセスも、何年か前に閉店した

その畠中さんが書いている。
▼…百年近く、港町の一角に在り、街の日々をともに歩んできた歴史ある書店。このお店を往き来されたお客さんや書店員のことを考え、しばし呆然としました。きっと、想像もできないくらいたくさんの本との出会いが生まれ、それぞれにとってのかけがえのない「私だけの」海文堂書店がある、そんな時の積み重ねを感じたのです。
 街の書店は、住む人が初めて本に出会う場所です。
 くり返す日々、その延長に平野さんのいる海文堂書店がある元町。
 これはそうとういい。本書を読み思いました。(p.94)
街の書店に必要な「眼」を、畠中さんはこう書く。
▼…愛妻と毎朝「元町ぶらぶら」「仕事はトロトロ」と歌う平野さんは、じっくりと腰を据えて、ぶれない観察眼で店を街を世間を見ている――。その眼。
 街の書店には、そんな頼りになる「おっちゃん」が必要です。「おっちゃん」のいるいつもの書店で、「明日も大丈夫」とほっとできる時間。神戸元町界隈に住みたいな~と、つい岡惚れしてしまった私です。(p.95)

本屋ではたらいてきた平野さんの、ご本人曰く「おちゃらけ・下ネタ・嫁自慢」という、くくっと笑える文章のなかに、本や店や世間への観察がある。以前につとめていた三宮ブックスで手書きで出していたという「本のびら」、それは海文堂で「人文社会から」「ビジネス書ニュース」として手書きでまた貼られた(そのごく一部が収録されている)。

平野さん、眼のつけどころと、その表現がオモロイ。数年経って読むせいか、よけいにぐっとくるところもある。

▼M電器が温風器事故でたいへん。繰り返しテレビ・新聞で使用中止と点検案内を流しています。当たり前のことです、まあえらいとは思いますが、お詫びのことばは一言もないぞ。社会的責任果たせているか? 勝ち組優良企業大丈夫か? そもそもモラルを持っていると言えるか? ちょっとおかしくなっていませんか?(おかしかったら笑わんかい)。(p.41、「海会」2006年1月号より)

M電器(いまはP株式会社)、その後も引き続き「謹告」が出ている。

▼さて、JMN党の皆さん、次はABでいいらしいです。勝ち馬に乗るのは世の常ですが、あまりに露骨。他の候補者は単なる顔見世・次狙い? みんな世襲。かつては人材の宝庫を誇ったのではなかったのか? これで、どこかの北の国の世襲国家を批判できるのかい?(p.57、「海会」2006年9月号より)

お腹が痛いと辞めたAB、そのABが2006年に出たJMN党の総裁選は、「麻垣康三」と言われたアレだ(ほんとにみんな世襲である)。結果としてはFKDが降り、AS、TNGK、ABの三者でポスト小泉の座があらそわれ、ABが圧勝。またぞろABが総裁になり、首相をつとめる今、なにかがくりかえすような気がしながら、平野さんの政界や財界へのツッコミを読む。

この本の版元であるみずのわ出版、神戸にあったこの会社も、いまは周防大島。

街の本屋をうしないたくない。
ついネットで買ってしまうこともあるが、なるべく最寄りの本屋で注文しようと思う。

(10/23了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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