読んだり、書いたり、編んだり 

読書の腕前(岡崎武志)

読書の腕前読書の腕前
(2007/03)
岡崎武志

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この人の古本がらみの本はいくつか読んでるし、『ビッグイシュー』の連載「ひぐらし本暮らし」も読んでいるが、こんな新書が出てるのは全く知らずにいた。この本も、この人の新しい新書『蔵書の苦しみ』というのが出ている、とどこかで見かけて、図書館の所蔵検索をしてみると、新しい本はまだなかったが、いっこ古いのが引っかかって借りてきたのだ。300頁近くあって、なかなか厚い新書だ。

この本は、「これからもずっと楽しみとして本を読んでゆきたい、できるだけ読書の時間を多くとりたい。いろんな作家のいろんな本に触れてみたいと考えているような人に、少しは役に立つように書いたつもりだ」(p.6)と、「はじめに」のところに書いてある。

人がすることすべて上達というものがある、何度も繰り返して腕前が上がる、読書だって同じだ、と岡崎はいう。
▼読めば読むほどいろんなことがわかってくるし、前にはわからなかったことが突然見えてきたりする。若いときに読んで気づかなかったことに、年とって再読したとき、ああそういうことかと気づいたり。
 そんなとき、あなたは少しだけ「読書の腕前」が上がっているのだ。(pp.7-8)
そういう本なので、本をたくさん読んできて「読書の腕前」が上がっている岡崎の、本についてのうんちく、この本はこんなんですという解説、こんな本も読んでおきたいですねというおすすめを語る口調は、ちょっとばかり説教くささを感じるところもあった。「書斎は男の戦場だ」てな小見出しには、はぁー?とも思った。

そういうところもあったけど、全体に「おもしろかった」と思って読み終えたのは、やはり私も本ネタが好きだからかなと思った。こんなふうに読んだ、こうして本を手に入れた…という昔ばなしのところなんかは、自分はその年回りのころ、どうしてたっけなと思い出したり、あの頃こんな本を読んだりもしたなあと何冊か思い浮かべたりもした。

次の新しい新書は『蔵書の苦しみ』というくらいだから、その方面の話がもっとたくさん書いてあるのだろう。蔵書をどうするかという話は、この古いほうの新書にもそれなりに書いてある。

ある本を探しもとめて古本屋でみつけて…というような話を読んでいると、これは、岡崎に限らず、本を買ってどうのということを書いてる人に感じることだが、「図書館は、使わへんのだろうか?」と思う。もちろん、図書館に所蔵されている本ばかりではないし、国会図書館にだって入ってない本はあるのだから、本を探す、とりわけ古いものを探しだして手に入れることは、時と場合によっては、唯一の「その本を読む手段」だということはわかる。

それでも、本や古本の話を書く人って、図書館へは行かへんのかなと思うことがよくある。私は10年くらい前に、かなりたくさんの本を手放して、そのせいで「昔買ったはずだが、手放したかどうか不明」で、うちの中にあるのかどうかがはっきりしない本ができてしまった。しばらく探してどうしても見つからないときには、図書館で借りてくる。借りてきた本を読み終わって、ふと本棚を見ると、その本があった、ということも何度か。

私も、今ある本棚はすでにあふれてるし、図書館頼みといっても多少は本を買うし、どうしたもんかなと時々思う。一方で「図書館は、自分の本棚の延長」という気持ちがあって、読みたい本のほとんどは、どうにかして図書館で読めるという信頼感もある。

本を買いまくっていたある時期、もちろん「失敗した!こんなん買わんでよかった」という本もあって、そういう失敗経験が、自分の"本感覚”みたいなのを鍛えたかなと思うところはあるけれど、本を買う系の人の書くものを読んでいると、「図書館は、使わへんのだろうか?」とやはり思うのだった。

(9/7了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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