読んだり、書いたり、編んだり 

本屋さんで待ち合わせ(三浦しをん)

本屋さんで待ち合わせ本屋さんで待ち合わせ
(2012/10/06)
三浦しをん

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「ブックマーク」の前の号の本のアンケートで書かれていた本。半年前にはまだ予約でいっぱいだったが、ふと図書館で蔵書検索したら空いていたので借りてきて読む。

ほとばしる三浦しをん、という感じ。

とくに巻末の「最近読んだ漫画とBL」を語った箇所は、「ブックマーク」で本について語ってくれはる人のイキオイにも似て(■で区切りがあるところが「ブックマーク」誌面と見た目似てるせいもあって)、みょうに親近感がわいた。

「一日の大半を本や漫画を読んで過ごしております」(p.1)という三浦しをん。本を紹介する際には、ひとつの方針を立てている、と書いてある。
▼「ピンとこなかったものについては、最初から黙して語らない(つまり、取りあげてああだこうだ言わない)」だ。
 ひとさまの本に、えらそうにあれこれ言っておきながら、自分が書いてる本はどうなんだ・そう問われるとグゥの音も出ない。そこで姑息にも、批判的にならざるをえない本や漫画への感想は、公には語らないことにしている。また、たとえ私にはピンとこなかったとしても、該当の書籍やそれを好きなひとたちを否定する必要も権利もないと考えるからでもある。
 ひとによっていろんな読みかたができるから、本や漫画はおもしろい。(pp.1-2)

私も、あれこれ読んでいて、ピンとこないというか、(あまりおもしろくなかった)という本も当然ある。どこがどうおもしろくなかったか、というのをたまに書きたいこともあったりするが、自分がおもしろくなかった本をわざわざ取りあげて書くこともないかと、この三浦しをんの方針を読んで、あらためて思った。

新聞で「読書委員」というのをやって、書評を書いた経験ゆえか、この本の半分くらいを占める、新聞に載った書評原稿は、語彙や表現など、読みやすいなと思った。ほとばしる「この本への熱」をややさましつつ穏当に表しているというか。それはそれで、この本読んでみたいなーという欲をあちこちのページで刺激された。

そのぶん、「おわりに」で、とても「おわりに」ではないような分量と情熱で語られる「最近読んだ本や漫画」の部分は、新聞紙上であれば必要かもしれない気遣いなどがとっぱらわれたようで、なおおもしろかった。

いろいろと、これは読んでみたいという本があったなかで、おそらく三浦しをんの書評を読まなかったら、タイトルを見ただけで敬して遠ざけたかもしれんなーと思った一冊が、『男の絆』。私は、このタイトルで、おそらく書かれている内容とはまったく異なるものを勝手にイメージしていた。

三浦しをんの書評はこうしめくくられている。
▼性別や性的指向を問わず、社会に息苦しさを覚え、しかし諦めずに希望の光を見いだしたいと願っているすべてのひとに、本書をおすすめする。(p.195)

『世界たばこ紀行』というのも読んでみたいと思った。

三浦しをんの書評の一節。
▼相手の体内深くから吐きだされた白い煙が、己れの吐きだす煙と混じりあって、天に上っていく。煙草の煙は有効と融和の象徴であり、ひとの魂の象徴だ。(p.55)

そのむかし、教科書でも読んだ中島敦や太宰治、原民喜なども、ひさかたぶりに読みたくなった。

(9/3了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第37回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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