読んだり、書いたり、編んだり 

ピアノ・サンド(平田俊子)

ピアノ・サンドピアノ・サンド
(2003/12)
平田俊子

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「ブックマーク」に、『平田俊子詩集』が出ていて、久しぶりにまた借りてきて読んだら、なにか平田の小説が読みたくなって、図書館にあったのを借りてくる。

表題作の「ピアノ・サンド」と、「ブラック・ジャム」と、"かなり長めの「あとがき」"と脇に書いてある「方南町の空」の3つが入っている。

「ピアノ・サンド」は、ピアノとサンドイッチが出てくる話。主人公の「わたし」は、百年前のピアノを預かってくれないかと持ちかけられて、ひきうける。といっても、どこにピアノを置くねん?という狭い部屋。離婚したのだし、ダブルベッドはいらない、こんな大きなテーブルもいらないと処分して、ピアノがやってくるのを待つが、持ち主の気が変わってピアノの話は立ち消えになってしまう。「わたし」はその後、ピアノの持ち主の店を訪ねていって、くだんのピアノをじっと見たりする。

それでサンドイッチはどこで出てくるかというと、「わたし」がつきあっている妻子もちの男・槙野に食べさせるサンドイッチをパン屋で買うところで。菜の花サンドがうまそう。
「ブラック・ジャム」は、腕に大きなヤケドのあとがあって、それをずっと隠そうとしてきた女性が主人公。その傷を負ったときの状況のせいで、母親に対してうずまく感情をもっている。そして、彼女は、自分のヤケドが呼びよせるかのように、どこか"欠けた"ような男とつきあってみたり。タイトルどおり、こっちの話にはジャムが出てくる。

場面場面が、よく書き込まれていて、そういうところが平田の書き方なのかなと思った。「方南町の空」の中で、平田はこう書いている。

▼おとなしく詩だけ書いていればいいものを、どうして小説に手を出したのだろう。ひとつの分野でさえ満足な成果をあげてはいないのに、別の分野に手を広げるなんて僭越だ。欲張った結果、虻蜂取らずになることは目に見えている。それでも小説を書いたのは、見知らぬ場所に立ちたかったからだ。(pp.232-234)

見知らぬ場所を描写し、情景を立ちあがらせる。たぶん詩とはまた違う部分を使うのだろうと思う。

(8/29了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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