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差異の繋争点―現代の差別を読み解く(天田城介、村上潔、山本崇記(編))

差異の繋争点―現代の差別を読み解く差異の繋争点―現代の差別を読み解く
(2012/03)
天田城介、村上潔、山本崇記(編)

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リクエストしたら、ヨソの図書館からの相互貸借で届く。書いてる人に院生さんが多いこともあるのか、久しぶりに"論文論文"した文章群を読む。想定読者はどのあたりなのか(誰が読むのか)、かなりジャーゴン混じりで、正直読みにくい。7月終わり頃から読んでいたが、あまりの気温の高さに読めなくなり、第III部はちらっと見るくらいしかできず。また暑さがおさまった頃に、もういちど借りてみようと思う。

とりあえず読んだところまでで、印象に残ったところの一つは、太田典礼。「西陣地域における賃織労働者の住民運動」という2章で、1931年に京都市左京区に洛北診療所が太田典礼・杉山茂・高橋松蔵らによって無産者診療所として開設された、というところに太田典礼の名前が出てきた。この人は安楽死協会(いまの尊厳死協会)をつくった人だ、ということしか私のアタマにはなかったので、無産者診療所?太田典礼は安楽死の前には何をやってきたのか?と、ぐぐっと興味をひかれた。無産者診療所は、たどっていくと、いまの民医連につながる流れである。
「太田典礼 無産者診療所」でネット検索してみると、こんな論文が出てきた。
www.osaka-ue.ac.jp/file/general/5320
「太田典礼 その生と性と死をめぐる闘い(1)」

代々医者という家にうまれた太田典礼は、産科医で、産児制限をテーマに避妊リング(太田リング)を考案した人でもあった。山本宣治がまとめたサンガーの講演録に影響を受けたものらしく、のちにサンガーが来日したときにはインタビューもしているそうだ。戦後は人工妊娠中絶を合法化する優生保護法の制定に尽力したという。安楽死に関心を深めたのは晩年のことらしい。

個人的には、6章の「主婦の労働実践としてのワーカーズ・コレクティブの岐路」がおもしろかった。
▼主婦たちによる「新しい働き方」は、夫の稼ぎを活動の前提とし、夫を支える家庭役割を重視するという点において、性別役割分業体制と企業社会--ならびにそれにのっとった生産・消費の社会体系--を、否定しようとしているにもかかわらず内実は肯定・補強するうえで成り立っている。(p.145)

お金にならない(たいした儲けにならない)お店屋さんごっこができるのは、夫の稼ぎがあるからでしょ、という話。ワーカーズなどがめざしてきた"オルタナティブな働き方"は、生活費を稼ぐ必要がない主婦層の"特権"のようにもなっていた。その働き方を、就労支援など、従来型の企業の働き方には乗れない人たちのものにしていけるのかどうか。まだそれは模索の段階だ、というところで論文は終わっている。

笑えるのは、冒頭に「第2派フェミニズム」とあって、あまりに堂々と書いてあるので、え?waveじゃないのか?と思わず調べてしまった。これはやはり「第2波フェミニズム」で、2刷りが出るときにはぜひ修正をしてほしい。

(読みかけ)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第42回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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