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母親やめてもいいですか(山口かこ)

母親やめてもいいですか母親やめてもいいですか
(2013/03/01)
山口かこ

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気になっていた本が、新着棚にあったので借りてくる。「広汎性発達障害の娘の母親」としての体験をえがいたコミックエッセイ。

「障害を持つ子どものお母さん」=明るくて、前向きで、優しい、太陽のような… そんなイメージがあるかもしれないし、実際に著者の知る「障害を持つ子どものお母さん」は明るく朗らかだというが、この本には、そんな母は登場しない。

娘が広汎性発達障害だとわかって、ジタバタ、ふらふら、迷走した「私」のこと、不安、葛藤、嫉妬、怒り、悲しみ、情けないこと、恥ずかしいことも含めて、「私」の体験が率直に表現されている。
著者が、自分の母のことを書いたところがある。

▼人に関心がない――
 場の空気が読めない――
 人が傷つくことを悪気なく言ってしまう――
 お母さんも発達障害の気があるんじゃないの?(p.95)

その母の生き方に、「目立たず、自己主張せず、友だちとうまくやりたい」という自分の"生きるための戦術"を脅かされてきたと思う著者。

娘を夫と義親に託し、離婚して、数ヶ月ごとに娘と会い、だんだんと成長していく娘を見ながら、著者は、いろんなことを発見する。

「障害」というフィルターを通して見ていた頃は気づかなかった娘の可愛らしさ、"発達障害の子"でも"普通の子"でもない、この子はこの子なのだという思い。

そして、著者は、母のことを、ひとりの人として見られるようにもなった。子どもの頃から「普通の母親みたいになってほしい」と思い続けていた、でも、その「普通」という色眼鏡を外してみて気づいたのは、母はかなりユニークな人だ、ということ。

著者の書く「母」のことが、なんだか自分の父親のことを読むようだった。「変な親や」とずいぶん思い続けてきたし、今もそう思うところは多い。でも、この人はこういう人なんやな…と、私もだいぶ思えるようになった。

(7/2了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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