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オトナ婚です、わたしたち 十人十色のつがい方(大塚玲子)

オトナ婚です、わたしたち: 十人十色のつがい方オトナ婚です、わたしたち
十人十色のつがい方

(2013/02/20)
大塚玲子

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「結婚」て何??というのは、私にとって、かなり以前からの疑問のひとつ。いったい「何」があったら結婚で、「何」がなかったら結婚ではないのか、いまだに解けないナゾのひとつ。「何」をもって結婚だと言い、「何」をもってそうではないと考えるのか。

この本には、「カタチはなんでもいいじゃない」という第1部と、「中身もなんでもいいじゃない」という第2部にわけて、10の「つがい」が紹介されている。それぞれの「つがい」に付けられている目次のラベルは、こんなだ。

半同居婚、別居婚、おめでた事実婚、子連れ初婚、女×女婚、役割逆転婚、年の差婚、お見合い婿入り婚、浮気容認婚、じゃんけん妻氏婚。

このほかにも、コラムの形で「みなさまの声」が多数紹介されていて、「結婚」て何??に対して、そういうのもアリか、と思えるつくり。
たとえば、

・事実婚10年目のNさん。
▼「逆にね、世の中の『ふつうの人』って、どういうことで結婚(法律婚)するんですか? それがわたし、わからないんです」(p.89)

・子連れ初婚の竹本さん
▼「生き物が妊娠して出産して、子どもを育てるっていうのは、結婚制度ができるまえから自然に行われていることですよね。結婚制度っていうのは後づけのものであって、それが生き物としての自然な成り行きにストップをかけるっていうのが、わたしとしては、ちょっと違うんじゃないの? って思うわけです」(p.92)

竹本さんは、結婚しないで産むことに、なんでみんな反対するんだろう?とすごく思い、今もずっと思っているという。妊娠すると「おめでとう」と言われ、そこに結婚がつけば「よかったね」と言われるのに、「結婚しない」と言ったとたんに、みんな手のひらを返したような態度をとる、それはなんでなんだろうと。

・女×女婚の小野さん
▼制度からはずれているデメリットはね、やっぱり、いちいちこの形を説明するのが面倒(笑)。「あ、結婚してるんで」ってひとことで言えれば、「結婚ってだいたいこういうものよね」という「一般的な常識」でパッとイメージが伝わって、わたしの状況を理解してもらえるんだけど。それがないのね。(p.121)

「結婚みたいなことをしています」と言うと、その「みたい」って何?と問われ、たまに説明がめんどくさくて「結婚してる」と言うと、あとで(誰に「結婚してる」って言ったんだっけ)と、まためんどくさい。

異性間の事実婚と似たところもあるが、同性婚の社会的な認知度が低いため、説明がめんどくさいだけでなく、異性間であれば"法律婚に準じて"認められている権利も、まだ認められていなかったりする。

・夫がゲイで、法律婚をしている中村うさぎ
▼私が結婚したとき、『噂の真相』という雑誌の1行ニュースだかなんだかで「中村うさぎの夫はゲイ。偽装結婚との噂」と書かれた。そのときに私は「セックスしないとほんとうの結婚ではないと言うのなら、もう何年もセックスレスになってる夫婦は全員、偽装結婚なのかよ」と思わずツッコんでしまった。(p.134)

とにかく大事なのは「双方がいちばん納得してる形」ではないのか、ずっといっしょに生きていこうねと思える、目に見えない心の紐帯こそが大切ではないのか、と中村は書く。

ゲイの夫と夫婦間セックスはしない、だから恋愛とセックスはおたがいに自由で、これが中村夫婦がうまくいっている秘訣だという。そして、「夫がいる」という重荷であると同時に重石になる関係があるから、中村はこの世に留まり続け、今日も生きているという。


どの話もおもしろかった。巻末に、取材を終えた著者は「勝手に縛られているわたしたち」と書いている。たぶんそれは"結婚"というものに限らない。私自身、なんやかやと、いろいろ縛られてしまっているのかもな、と思ったりした。"仕事"ってこうだとか、"働く"ってこうだとか、そんなことも。

読んでいて、「入籍」というコトバがどうしても気になってしまった。気になりつつ、じゃあ、どんなコトバを使いうるか?と考えてみた。

「入籍」は、おそらく"現行の制度にのっとり、届けを出す結婚"という意味で使われていて、この本のキモである「十人十色のつがい方」のバラエティを表現するのに対して、やはりこのコトバを使うしかなかったかな…とも思った。

(6/30了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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