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本の読み方(草森紳一)

本の読み方本の読み方
(2009/08/08)
草森紳一

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どこかでこの本の表紙写真を見かけて、この本にふけるアタマの角度に、なにかを刺激されて、借りてきてみる。表紙カバーの写真にはじまり、各章の扉には、本を読みふける人物や、本にまつわる写真が掲載されている(写真も著者の草森紳一自身が撮ったものらしい)。

タイトルどおり、本そのものがどうというよりも、"本の読み方"、つまりは読む場所や、読む格好、読む時間などについて、著名人を引き合いに出したりしながら、書いてある。

たとえば、

▼読書といえば、頭のみを使うと思っている人が多い。それは、誤解で、手を使うのである。本をもつのにも、手が必要である。頁をめくるにも、手の指がなければ、かなわない。読書とは手の運動なのである。(p.10)

▼本には、「めくり読み」の喜びがある。「めくるだけ」。私は、いくら多読だといっても、読んでいない蔵書のほうが、はるかに多い。ただ「めくるだけ」の喜びだけは、一冊残らず、どの本からも味わっている。(p.52)

▼読書は、「三餘を以てすべし」の発想は、農耕文化のものだということである。冬、夜、雨の「三餘」は、農業にとって、お手あげの時である。「読書の秋」は、虚業中心の「都市文化」、それにつらなる「レジャー文化」」の産物なのである。…「三餘」の成句が、生き残りきれず、死語になるだけの理由は、十分すぎるほどにある。(pp.86-87)

というような具合だ。
あるいは、こんな問いがあったりする。

▼教科書も、やはり本なのだろうか。
 よくよく考えてみれば、本である。みればみるほど本のかたちをしている。だから「本」である。
 にもかかわらず、人は、教科書に対して「本を読む」といわない。(p.111)

たしかにそうだ。「教科書を読む」と「本を読む」は、私も使いわけている。だが、あの本のかたちをしたアレは、なぜ本ではないのだろう?

雑誌について書いてあるこんなところは、ああそうやなあと思ったが、「気に入ったところを拾い読み」するのはいいとして、新聞や雑誌がかつてほど売れないというのは、「いろいろある中から、ここを読む」よりも、「この気に入ったところだけ読めたらいい」というようなこともあるのだろうか?などと考えた。読まないところまで買うのはモッタイナイとか?

▼新聞は縮刷版でもなきゃ、「本」といわぬが、雑誌はれっきとした「本」だ。単行本とちがって、隅から隅まで読まなければならぬという強迫感がない。その意味では新聞に近い。気に入ったところを拾い読みするだけでも、だれひとり咎めることのないのが、雑誌のよいところである。(P.149)

気になったのは、「棹さす」の表現。
「流れに棹さす」は、棹をさして、船を流れにのせてぐいっと進めることから転じて、勢いに乗ってものごとが進むという意味が本来だと思うが、棹をさすことをブレーキをかけるように理解し、世の流れにさからって勢いをそぐというような趣旨で使われることがずいぶん増えていると感じる。

▼読書家は、みな自分の宇宙をもっているが、時代に棹さすことはできない。(p.140)

1938年うまれの草森さんが、こう使っているのを読んで、ああもうこっちが汎用かなあと思った。

(6/16了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第44回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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