読んだり、書いたり、編んだり 

それでも彼女は歩きつづける(大島真寿美)

それでも彼女は歩きつづけるそれでも彼女は歩きつづける
(2011/10/03)
大島真寿美

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We読者さんから、これを読んだと聞いて、借りてきてみた。

柚木真喜子(ゆずき まきこ)をめぐる、物語。どこか海外の映画祭で、何かの賞をもらったらしいという柚木のニュース、そこから、いろんな人が柚木を思い出す。柚木はまだ映画を撮っていたのかと思ったり、柚木さんがんばってるんだと思ったり、どうして!と苛立ちをつのらせたり。

それぞれの人が見る柚木、思い浮かべるその言動は、柚木との関わりや距離感、好悪の感情によってもずいぶん違っている。柚木の受賞のニュースで、柚木のことを脳裡によみがえらせた6人の女性の、それぞれの話が編んであるともいえる。

同じ柚木という人物を見ながら、こんなにも人の視点は違うんやと思う。同じ場面にいた者どうしの視点の違いを描いてみせる作品はけっこうあるが、それを、同じ一人の人物にむける視線の違いにかえたところが、コロンブスの卵でもあった。
柚木をみつめる人を書きながら、柚木という人そのものは、物語のなかにごくわずかにあらわれるだけ。なまみの人でありながら、その柚木と6人それぞれは必ずしも最近会っているわけではなくて、6人の語りや思いのみが柚木像を構成していくようなところは、なんとなく、法事だとかお盆だとかそういうときに死んだ誰それの話をするのと似てる気がした。

それぞれの思い出や、印象に残るエピソードを披露しあうようなところが。そういうのを聞いて、子どもや孫が、ほとんど会ったこともないじいちゃんやばあちゃんのことを、こんな人やったんかなあと思い浮かべてみるような、そんな感じがした。

(6/15了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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