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生きててもええやん〈Part2〉もう一度生まれてきてくれてありがとう(頭部外傷や病気による後遺症を持つ若者と家族の会・編)

生きててもええやん〈Part2〉もう一度生まれてきてくれてありがとう生きててもええやん〈Part2〉
もう一度生まれてきてくれてありがとう

(2013/01)
頭部外傷や病気による後遺症を持つ若者と家族の会・編

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図書館の新着リストから借りてきた。なぜか図書館には「パート1」がないが、パート2が入っているのだ。

これは「頭部外傷や病気による後遺症を持つ若者と家族の会」会員さんが書いた文集のようなもの。交通事故や病気による障害や後遺症で、本人の人生も大きく変わってしまうだけでなく、社会資源が圧倒的に不足しているために、看病や介護で家族の人生も変わる… そのことと、なかなか知られていない高次脳機能障害のこともそれぞれの方が体験を書かれている。

巻頭で会長さんが、前回は"匿名"で出版したが、今回は原則本名とした、「私たちは、顔の見える存在でありたいと思ったのです」(p.4)と書かれている。折々の会合の際の写真も多数掲載されていて、若者や家族たちの姿がみえるが、やはり、実際に会って知っている桑山雄次さん(全国遷延性意識障害者・家族の会の代表でもある)の原稿は印象が強い。
桑山さんは「私たちのなやみの根源について─なぜ、こんなことになったんやろか?」と題した文章を寄せている。桑山さんが読んだ本のことも書かれている。そのなかで、クシュナーの『なぜ私だけが苦しむのか』について書いてあるところは、いつやったか私も読んだなーと思いながら読んだ。あの本を読んだときに、母の病気のことはやっぱり頭にあった。

それと、キリスト教について書いてはるところを読んで、『イエスの言葉 ケセン語訳』をまた読みなおしたくなった。

現象学の本について書いたところでは、「わかる人にはわかるが、わからない人にはなぜわからないのか?」に興味を持ったと桑山さんは記している。私もこれは何でやろと思う。自分が相手を理解しがたいときにも、なんで空いてはこれをいいと思うんやろ?と考えるとともに、私はこれをいいと思えないんやろ?と思う。

山口研一郎さんの特別寄稿もあった。桑山さんとの共著『脳死・臓器移植 拒否宣言』や、『脳死・臓器移植 Q&A50』で名前をおぼえいた。

山口さんが影響をうけた3人のことが書いてあって、そのなかに"山宣"の話が出てくる。山宣が、マーガレット・サンガーと産児制限運動に取り組んだことは知っていたが、生物学者だったのか!と、初めて知った気分。そのむかし、実家の本棚に『白色テロは生きている』という山宣のことを書いた本があり、その装丁がけっこう強烈だったこともあって、子ども心におぼえていたせいか。しかも、気がついてみると、もう山宣が殺されてしまった歳を越してるし。

「26年目の転換」と題して書かれている、あるお母さんの文章のここも心にのこった。

▼今まで私のやってきた事は、確かにがんばりはあったかもしれないが、世間知らずで息子を必死で守りすぎたのだ。
 すべて親の責任の名のもとで、ひょっとして彼を束縛していたのかもしれない。
 「がんばる」「がんばる」この頑固な思いと考えがマイナスだったのだ。
 私たちの考え方がまちがっているのかもしれないと思い始めていた。

 息子の残りの人生、私の残りの人生を思うと今しかない。今から舵取りの方向転換をしよう。(p.120)

親と子、そして介護。親が子を介護するのでも、子が親を介護するのでも、開けるものならば外へ開いていかないとなーと思う。母は、「子どもはあてにできない」と言いながら、やっぱりどこかであてにされていたなと、そこが私には重くもあったと思い出す。

(3/31了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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