読んだり、書いたり、編んだり 

先生と僕(坂木司)

先生と僕先生と僕
(2007/12)
坂木司

商品詳細を見る

『夜の光』がおもしろかったので、図書館で空いてる本をまた借りてみた。これも、ちょっとした謎を解いていく(犯罪を未然に防いだりもする)、こわくない系統の話。ステレオタイプをひらりと返してみせるところも、この作者のみりょくかも。

こんどの登場人物は、地方から出てきて大学に入ったばかりの伊藤二葉(18歳)と、公園で推理小説の文庫本を開いていた二葉にアルバイトしないかと声をかけた中学1年の瀬川隼人(13歳)。
人が殺される小説は読めない、極度のこわがり屋の二葉。都会っ子の隼人の押しの強さに負けた格好で、家庭教師のアルバイトを引き受けることになる(大学の同期にひきずられて断れず、推理小説研究会にも入ってしまった)。特技は、写真を取り込むみたいに記憶できることと、負の想像力の豊かさ。

隼人は、「かわいい」「ジャニーズ系」と言われる顔の持ち主で、頭の回転も速い。ぼくは結構勉強ができるといい、心配性の母親は塾へ行くか家庭教師をつけるかと二択を迫るが、塾へ行く時間があるなら好きな本を読んでいたいのだという。母の提案を呑んだふりをするために、秘密の約束を守ってくれる人を選んで家庭教師をつけようと考えた。そしてミステリ読書量は二葉よりずっと多い。

この二人が、それぞれの特技と持ち味をいかして、日常でぶつかった謎を解いていく。隼人は、その謎解きと似た作品を二葉に紹介もする(作中で紹介された本が巻末に並べてある)。

タイトルの「先生と僕」も、家庭教師の二葉と、その教え子の隼人となると、先生=二葉、僕=隼人と思いそうだが、かなり最初で、二葉が「それが僕と先生の、運命の出会いだった」というところがあって、ここもひらりと返された感じ。ミステリに関しては、たしかに隼人のほうが先生で、この二人の、固定してしまわない関係性も読みどころか。

(1/5了)
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/4555-01632c31
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ