先生と僕(坂木司)
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『夜の光』がおもしろかったので、図書館で空いてる本をまた借りてみた。これも、ちょっとした謎を解いていく(犯罪を未然に防いだりもする)、こわくない系統の話。ステレオタイプをひらりと返してみせるところも、この作者のみりょくかも。
こんどの登場人物は、地方から出てきて大学に入ったばかりの伊藤二葉(18歳)と、公園で推理小説の文庫本を開いていた二葉にアルバイトしないかと声をかけた中学1年の瀬川隼人(13歳)。
人が殺される小説は読めない、極度のこわがり屋の二葉。都会っ子の隼人の押しの強さに負けた格好で、家庭教師のアルバイトを引き受けることになる(大学の同期にひきずられて断れず、推理小説研究会にも入ってしまった)。特技は、写真を取り込むみたいに記憶できることと、負の想像力の豊かさ。
隼人は、「かわいい」「ジャニーズ系」と言われる顔の持ち主で、頭の回転も速い。ぼくは結構勉強ができるといい、心配性の母親は塾へ行くか家庭教師をつけるかと二択を迫るが、塾へ行く時間があるなら好きな本を読んでいたいのだという。母の提案を呑んだふりをするために、秘密の約束を守ってくれる人を選んで家庭教師をつけようと考えた。そしてミステリ読書量は二葉よりずっと多い。
この二人が、それぞれの特技と持ち味をいかして、日常でぶつかった謎を解いていく。隼人は、その謎解きと似た作品を二葉に紹介もする(作中で紹介された本が巻末に並べてある)。
タイトルの「先生と僕」も、家庭教師の二葉と、その教え子の隼人となると、先生=二葉、僕=隼人と思いそうだが、かなり最初で、二葉が「それが僕と先生の、運命の出会いだった」というところがあって、ここもひらりと返された感じ。ミステリに関しては、たしかに隼人のほうが先生で、この二人の、固定してしまわない関係性も読みどころか。
(1/5了)
隼人は、「かわいい」「ジャニーズ系」と言われる顔の持ち主で、頭の回転も速い。ぼくは結構勉強ができるといい、心配性の母親は塾へ行くか家庭教師をつけるかと二択を迫るが、塾へ行く時間があるなら好きな本を読んでいたいのだという。母の提案を呑んだふりをするために、秘密の約束を守ってくれる人を選んで家庭教師をつけようと考えた。そしてミステリ読書量は二葉よりずっと多い。
この二人が、それぞれの特技と持ち味をいかして、日常でぶつかった謎を解いていく。隼人は、その謎解きと似た作品を二葉に紹介もする(作中で紹介された本が巻末に並べてある)。
タイトルの「先生と僕」も、家庭教師の二葉と、その教え子の隼人となると、先生=二葉、僕=隼人と思いそうだが、かなり最初で、二葉が「それが僕と先生の、運命の出会いだった」というところがあって、ここもひらりと返された感じ。ミステリに関しては、たしかに隼人のほうが先生で、この二人の、固定してしまわない関係性も読みどころか。
(1/5了)
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