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週刊金曜日 部落差別を考える(2012年11月16日号)

週刊金曜日 部落差別を考える週刊金曜日
部落差別を考える

(2012/11/16)


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特集が「部落差別を考える 『週刊朝日』問題の本質」というので、どこかで買おうと思ってるうちに、もう次の号が出ていて手に入れそびれ、図書館で借りてきた。11月に参加したらいとぴあのセミナー「いま、"部落"をこどもにどう伝える?」が取材されていたのも載っていた。

特集記事は3本。
・角岡伸彦「『週刊朝日』問題の本質」
・野中大樹「大阪ルポ うちって「部落」なん?」
・編集部/構成「知っている人もそうでない人も! 部落問題Q&A」

『週刊朝日』の当の記事を私は読んでいないのだが、このかんに書かれたものをいくつか読むかぎり、それはアカンやろという内容だと思える。

角岡さんはこう書いている。
▼…[橋下氏の]「非寛容な人格」「厄介な性格」を問題にするために、橋下氏の両親や橋下家のルーツを徹底的に調べなければならないという論理には、飛躍があり過ぎる。これでは、被差別部落にルーツを持つから問題ある人物になった、としか読めない。…(p.19)
 …佐野氏の記事は、「非寛容な人格」「厄介な性格」と父親の出自を安易に結びつけたことが問題なのであり、「同和地区を特定した」のは、問題の本質ではない。(p.20)
金曜日編集部によるコラムはこう書く。
▼…『週刊朝日』10月26日号の橋下徹氏をめぐる記事は、直接的な差別語を使ったからというよりも、「表現の差別性」が問題となりました。〈橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す〉として、「DNA」=血脈=被差別部落出身に、全人格の諸悪の根源があるという視点から書かれたわけです。
 それは、当事者である橋下氏に対する部落差別であるばかりか、全国の被差別部落、部落出身者に対する差別的言辞であり、いまなおこの社会に存在する部落差別を容認し、助長する差別行為です。(p.27)

部落を伏せさせているのは何なのか。有名人が部落出身であることを書いた記事が売れるってどういうことなのか。そして、"暴いた"記事は広く読まれ、その問題を指摘する記事はなかなか届かない現実。

橋下徹の出自を描いたという当の『週刊朝日』も図書館にはあって、それには、すごい数の予約がついていた。知られていないこともあるのだろうが、この『週刊金曜日』にはまったく予約はついておらず、私が延長して借りている間に、他のどなたかの予約が入ることもなかった。

久しぶりに読んだ『週刊金曜日』。

「くらしの泉」というコラムで、ピーチハートのメンバー・宍戸慈(ししどちか)さんが、「福島女子は今を生きる」の7回目で、"将来、対話を大事にする仕事がしたい"と題して、中学生の渡部真梨子さんと話したことを書いていた。

「…もっといろんな大人にわかってほしい…だっていろんな子どもが元気じゃないと、未来は駄目じゃん? 今ちゃんとやらないと、未来はないんだよ?」(p.36)

小6で震災にあい、いま中1だという真梨子さんの言葉は、『We』181号で掲載した日塔マキさん(ピーチハートのメンバー)の話に通じるものを感じる。

子どもを守ろうという動きはたくさんあったけど、「18歳以上ママ未満」の世代は、自分で納得するまで考えたり、不安や怖いという気持ちを吐きだす場がなくなっていた、それで本音が言える場をつくろうとピーチハートができた。日塔さんたちが保養ツアーに行こうと若い女の子たちに呼びかけても、ほとんど人が集まらなかった。

「…ああ、これは独身の女の子は自分に保養が必要だと思ってないし、いまの福島の放射線量が高い現状を受け入れてしまっているんだなと思って…。自分に保養が必要だと、当たり前に思える人を育てていかないと行けないのかなと最近思っています。」(p.12、『We』181号

ほぼ一ヶ月借りて、あっちを読み、こっちを読みしていて、68ページで、ほとんどが字で埋まっているこのボリュームで"週刊"というのは、読みきれへんくらいやなーと思った。巻末に「『週刊金曜日』は定期購読者が支える雑誌です」とあるのを見て、どんな風におかねがまわって、どんなふうにつくられてるんかなーと、しばし考えた。

(12/22了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第42回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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