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女性をめぐる暴力―生き延びるためのプログラム (アミティを学ぶ会)

女性をめぐる暴力―生き延びるためのプログラム (アミティを学ぶ会)女性をめぐる暴力
―生き延びるためのプログラム

(2004/10)
アミティを学ぶ会

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アミティを学ぶ会の本を探したら、ヨソの図書館に記録集があって、相貸で借りてくる。

アミティを学ぶ会が2004年1月にひらいたフォーラムの記録集。アミティスタッフであるシャナさんのお話「私の人生体験から得た贈り物」、ロビンさんのお話「希望は語ることから始まる」、ダルク女性ハウスのスタッフ上岡陽江さんのお話「必ず生き直せる、そして願うこと」、薬物依存症のピー子さん(ダルク女性ハウスのスタッフ)の「ハイヤーパワーからの贈り物」、依存症で虐待ママのカズエさん(LMG愛したい母の会メンバー)の「自分の癒しに取り組めるシステムを」。

5人の女性のお話と、シャナさん、ロビンさん、上岡さんによるシンポジウム「暴力を生き延びて―希望と回復への道―」の記録がおさめられている。

ハルエさんの『その後の不自由』や、ダルク女性ハウスの本は以前に読んでいるが、アミティの本を読んでいて、また読みたいと思った。

上岡さんが「人と較べなくていい、自分のことを見ていい」というところが、一番心に残った。アミティやダルクにつながった人たちは、もの凄い激しい体験をしている人もいて、それと較べると、自分はあまり事件がないとかいう話になりがちだけれど、"やさしい暴力"もいっぱいある、殴る蹴るの暴力はなかったにしても、ずっと言えなかった思いがあったり、ずっと孤独だったり、そこを死なずに生き延びてきた「私」を、人と比べちゃいけないと。

▼…人と比べちゃいけないですね、自分自身を。人と比べることはホントよくないね。私にとっての悲しいこと、私が受け入れられない、飲み込めないこと、そういう自分のことをきちんと見ていいんだ、っていうふうに思えるところから始まるのかもしれないですね。(p.54)
こないだ読んだどれかの本にもマヤ・アンジェロが出てきたが、この記録集のロビンさんの話にもマヤ・アンジェロが出てくる。ずーーっと昔に読んだきりのマヤ・アンジェロもまた読みたいと思った。

シンポでは、"「語る」ことでしか回復はあり得ないのか"という質問があって、それに対して、言語化ではなくとも、アートセラピー、プレイセラピー、絵画、音楽、陶芸など、いろんな方法があるだろうと、要は「自分は世の中で役割があるんだ」ということを伝えるツールや方法が他にあればいいのだという話があった。

あまりしゃべらない人が、動物の世話をきっかけに、それが人と話す扉になって、抱えている問題を少しずつ語りはじめることもある、アミティにしても、みんながみんな言葉から始めるわけではないと。

上岡さんがその話をうけて、サンフランシスコで、アジアの人の依存症のための施設をやっている代表が言っていたことを紹介している。
▼「西洋人の文化は言葉で語るっていうことをすごく大切にするけれど、アジアの人たちにとっては、語る、プログラムをやる、ということよりも、"365日空いているから、いつでも来ていいんだよ、あなたはここにいていいんだよ"っていうのが、一番大切だった」と。そしたら脱落者が少なくなったんだって。土日休みで、プログラムをきちんとやるという契約をする形だと、脱落者がすごく多かったんだって。それはね、初めはね、自分の話をし始めるのはすごく難しいんだよ。それでミーティングが終わったころにのぞくとかね。その場に自分がいればいい。だからできれば、自分と同じように暴力の被害にあっていてよくなっている人をさりげなく見たり、その人が話をしているのであれば、ちょっと話を聞いたり、そういう機会を持ってもらえたらうれしいかなって、私は思います。(pp.65-66)

人と比べない、自分のことを見る、ちょっとずつ機会をもつ。私なんて…となりがちだけれど、比べない。自分のことをだいじにするのは、そこからと思う。

(12/1了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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