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シンボルスカ詩集(ヴィスワヴァ・シンボルスカ、つかだみちこ編訳)

シンボルスカ詩集シンボルスカ詩集
(1999/12)
ヴィスワヴァ・シンボルスカ、つかだみちこ編訳

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石内都の写真集『ひろしま』の栞で知った詩人・シンボルスカ。その名を、こないだ管啓次郎さんのブログで見かけて、図書館に詩集があるかと所蔵検索をしてみたら、この『シンボルスカ詩集』『終わりと始まり』、そのほかに、シンボルスカの詩も収録されているアンソロジーが2冊あった。

『ひろしま』の栞に掲げられていた「世紀の没落」が入っていたので、『シンボルスカ詩集』を借りてきた。初期の作品から1999年の最新作まで、シンボルスカの詩作のあらましがわかる。

私の印象にのこった、たとえばこんな一節。

「たとえ私が丘の上にいたとしても/薔薇のように花を咲かせることはない/薔薇は薔薇として花を咲かせ/それ以外のなにものでもありはしない/そうではないか」(p.22「試み」)
「また再び訪れた春への/悲しみはない/毎年のようにそのつとめを果たす/春を責めるつもりはない」(p.101「景色との別れ」)

「人間のつくり出した国境とは/なんと疎漏なものであることか!/どれほど多くの雲がその上を罰せられもせず/とおりすぎていくことか/どれほど多くの砂漠から吹き飛ばされてきた/砂塵が国から国へとふりまかれていることか/どんなに多くの山の小石が他国の領土へと/転出していったことか」(pp.72-73「詩篇」)

巻末の解説によると、シンボルスカは編集者として勤めていた文学新聞やその他の文芸誌に、30年にわたって、数百冊に及ぶ書物の書評を書きつづけてきた。「仕事だったとはいえ古今東西の出版物を読破し、日本語にして1500字から2000字の書評を書きつづけてきた」(p.135)その本は、実に幅広いものだという。

シンボルスカの詩のことばと同じくらい、30年にわたって書いてきたという書評がものすごく気になる。(あちらでその書評集などは出ていないのだろうか、そして翻訳されないだろうか…)

1999年の最新作のひとつ「老いについての考察」を読んでいて、木村栄さんと向井承子さんに『We』で書いてもらっている「往復書簡」のことが重なった。その最後の一連。

「これから年をとっていくひとへのアドバイスとしては/歯をくいしばり 人生をあざ笑うがよい!/朝起きたらすべての部品を集め/新聞の死亡欄に目を通し/もし自分の名前がそこになかったら/それはつまりまだ「元気で生きていること」の証」(p.114「老いについての考察」)

(11/3了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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