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きつねのルナール(レオポルド・ショヴォー 編、山脇百合子 訳・絵)

きつねのルナールきつねのルナール
(2002/07/20)
レオポルド・ショヴォー 編
山脇百合子 訳・絵

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「ショヴォー」という名をおぼえて、図書館の蔵書検索をあれこれしてみるが、近所の図書館にあるのはショヴォー氏とルノー君のお話シリーズのほかに、2冊だけ(しかも1冊は、版違いのポポタム話)。

なので、ポポタムではないほうの『きつねのルナール』を借りてみた。検索したときから「山脇百合子/訳・絵」というのは見ていたが、果たして本を読んでみると、主役はきつねのルナールながら、少々おつむの足りないオオカミが出てきて、そのオオカミが犬に追われて逃げてみたり、こてんぱんにやられてのびてる絵などをみると、『いやいやえん』のあのオオカミを思い出すのであった(山脇百合子の絵をみると、『いやいやえん』『もりのへなそうる』と思ってしまう私のアタマは、三つ子の魂百までというやつなのだろう)。

中世フランス(12世紀後半~13世紀の中頃)で、多くの書き手によって、狐のルナールを主人公としてつくりあげられた三十数編の《狐物語》は、現代語訳や翻案、絵本、ダイジェスト版など多様なかたちで流布している。この『きつねのルナール』は、レオポルド・ショヴォーがみずから挿絵をつけて編みなおした『狐物語〈子ども版〉』から、22編のテキストを選び、山脇百合子が訳して絵をつけたもの、である。
12世紀後半に人気を博したという《狐物語》が、どれくらいもてはやされたかは、「主人公の狐の名前である「ルナール」が、本来「狐」という動物を意味していた言葉を追い出して、それに取って代わってしまった事実」(p.238)からも想像できると、巻末の解説には書かれている(ネットで引いてみたところ、ルナールはrenard、かつて狐をあらわした語はgoupilだという)。

赤毛のきつね、ルナールが、あっちやこっちでやり放題。うまいことウソをつき、言い逃れるのは朝飯前。オオカミもからすも山猫も、ルナールのおかげでひどい目にあい、お百姓さんやお坊さんも、ルナールにしてやられる。ルナールも、腹ぺこでさまよい、何かを口に入れようとドジをふみ、ずだぼろになることもあるけれど、それ以上のお返しをかますところが、やはりルナール。

訳では、ルナールが妻のエルムリーヌに「おおきにありがとう」と礼を言うところがあって(183ページ)、山脇百合子は関西人か?と奥付をみてみたが、東京生まれらしい。関西風味のルナールことばが出てきたのはここくらいで、どうしてここで急に「おおきにありがとう」なのであろうか?と思う。

昔、こんな話を聞いた気がするなーというようなエピソードもあって、ひどい話だけれど、おもしろかった。岩波文庫にも『狐物語』があるというので、それも読んでみたい。

(10/11了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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