読んだり、書いたり、編んだり 

野蛮な読書(平松洋子)

野蛮な読書野蛮な読書
(2011/10/05)
平松洋子

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この本は、9月のはじめだったか、いつも行く図書館の下の本屋で見かけて、ぱらぱらっと見ては戻すというのを3度くらいやっていた。ちょうど『We』編集もぐぐっと忙しくなって、読みたいなーと思いながら、通りすがりに眺めていた。

その本が、しばらくして、図書館の面出し棚をぶら~っと見ているとあった!のだった。自分のカードはもう10冊いっぱい借りている。幸いにしてカードに空きのある同居人が一緒だったので、これ借りてくれ~と頼んで借りてもらう。帰っていそいそと読む。『We』入稿もすんだところだった。

いっとうおもしろかったのは、第一章のいちばんはじめの「「能登とハンバーガーと風呂上がり」。著者がどんなふうに本を発見し、それを手にし、盛りあがった読みたい気持ちのなかで実際どこでどう読んでるか、の描写がたまらなくそそった。その本は、開高健の『戦場の博物誌』
▼読むことの不思議、奇妙な感覚につかまった。からだのなかに物語が構築されながら、いっぽう自分の記憶がじいじいと小さな音を立てて蠕動をはじめ、しだいに言葉と呼応し、反応を高めてふくらんでゆく。いまはヴェトコンの村を歩くこの少年だけ追いかけていたいと願うのだが、いつのまにかそこへ自分の記憶が侵入し、厚みを増してゆく──。(p.16)

その入り交じってきた記憶が綴られるところも、よかった。本をこんな風に読むことが、ある、ある、あると思う。このてっぺんの一文が私にはものすごくインパクトがあって、そのせいか、後の文章はちょっとテンション下がり気味で読んだ。とはいうものの、この「本読みの記」は、かなりおもしろかった。

気になった本は、『レミは生きている』。この「レミ」は、私のアタマによみがえるあの歌、今もなぜか歌えてしまう「ちびっこレミ、がんばれレミ、大きな青空~」というあの歌の「レミ」と同じなのか違うのか、などと思う(そして私は、このレミの歌をいつどこでおぼえたのか、さっぱり思い出せない)。

あるいは、昭和17年に万歳三唱に送られて入隊した池辺良が、5年におよぶ軍隊生活を送り、九死に一生を得て南方から生還を果たした、という記述に、『昭和二十年、僕は兵士だった』の五人と重なるものを思う。

『佐野洋子の単行本』という本も、読んでみたく思った(この本は、その後『がんばりません』に改題されて文庫になってるらしい)。

読み終わって、著者の名をじーっとみて、たまたまこの週にちらっと読んだ『週刊文春』で、「「かぞくのくに」25年めのハンバーグ」というのを書いていたのはこの人だ、と思いあたる(平松洋子の「この味」という連載)。そして、この人は、毎日新聞の日曜版で「小鳥来る日」を書いている人だ、ということにも気づく。

私はこの著者の書いたものを、けっこう読んでいるのだった。

※109ページに「進藤兼人」とあるのはやはり「新藤兼人」だろう(他のページでは「新藤」になっていた)。

(9/23了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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