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長い長いお医者さんの話(カレル・チャペック)

長い長いお医者さんの話長い長いお医者さんの話
(2000/06/16)
カレル・チャペック

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この本にも入っている「郵便屋さんの話」は、まえに別の訳本で読んでいた。が、「へのへのもへじ文庫」へ行ったときに、この中野好夫訳の岩波少年文庫をみかけて、『マルコヴァルドさんの四季』と一緒に借りてみた。

表題作の「長い長いお医者さんの話」や「郵便屋さんの話」のほかに、「カッパの話」、「小鳥と天使のたまごの話」、「長い長いおまわりさんの話」、「犬と妖精の話」、「宿なしルンペンくんの話」がおさめられている。さし絵は、兄のヨセフ・チャペック。

訳者違いで読むと、やはり話の印象も変わる。中野好夫は、じつにうまく日本語にのせて訳してるなと思うところがあった。あとがきでは「日本の少年少女読者のために、もとの本でもない、英訳本でもないようにかえたところもあります」と書いてあり、こういう翻訳が、とりわけ物語にはいいなと思った。
たとえば、魔法つかいのマジャーシュさんがウメの種をのみこんだというのを診断する3人の医者。
「どう見てもこれは急性ウメタネ炎でしょうな。」「わたしも、ウメマク炎とにらみましたよ。」「わたしの見るところでは、気管支のタネ性カタルの症状だと思いますがねえ。」  この一同診察の結果、マジャーシュさんの病気は「急性ウメタネマク気管支カタル」と決定するのだ。おかしすぎる。

あるいは、ルンペンくんの話に出てくる、ものいう白いカラス。
▼「…黒いカラスはね、ただ、なくだけだけど、あたしたち白いカラスはみんなお話できるの。どんなことだっていえるのよ。」
 「そいじゃ、これを一口でいってみな、ナガモチノウエニナマゴメナナツブ。」
 「ナガモチノウエニナマゴメナナツブ。」
 「よし、こんどは、タケヤノヘイニタケタテカケタ。」
 「タケヤノヘイニタケタテカケタ。」と、その白いカラスはすらすらといってみせました。(p.254)

表題作のお医者さんの話を読んでいると、こないだ読んだ『治療という幻想』で、石川憲彦さんが書いていたことが、なんだかよみがえってくるのだった。医者は、何をしてこようとしたのかと。

「長い長いお医者さんの話」は、私が前に読んだ本以外にも別バージョンがあるらしい。それもちょっと読んでみたい。

(7/4了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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