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おやじがき 絶滅危惧種中年男性図鑑(内澤旬子)

おやじがき 絶滅危惧種中年男性図鑑おやじがき 
絶滅危惧種中年男性図鑑

(2012/02/15)
内澤旬子

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『おやじがき』が文庫になったというので、図書館にあるかな…と検索したら既に入っていた。ので、借りてきた。もとの単行本に、15人の「おやじ」を描きたしてある。

内澤本がスキな私は、これが単行本で出たときに、本屋で立ち読みしたか図書館で見たのか、とにかくなかを開いてみたのだが、ナマナマしい「おやじ」がけっこうなサイズでどーんと迫ってきて、うっっっ…と、正直ちょっと引いてしまい、ぱらぱらっと見たきりだった。

文庫になって、ほどよく小さいサイズでおさまった「おやじ」絵は、自分が少しは歳をくったせいもあるのか、思いのほかたのしめた。ほとんどが"東京物件"のおやじだが、関西おやじが4枚、バンコクおやじが1枚まじり、しかし"関東と関西"とか"ニホンとヨソの国"と分けるだけの相違は私には見いだせず、どこいっても「おやじ」は一緒なんかなーと思った。
単行本のあとがきで、内澤さんは「我々はなぜこんなに歳をとることを拒否するのだろうか」と書いている。「そうなってはいけない、という強迫観念が、日本中にムンムンとみなぎっている」と。そして、この本に描かれているおやじたちを見よ、アンチエイジングという妄執から解き放たれ、自在にそこらに散在しているではないか、と内澤さんは呼びかける。

単行本から3年経った文庫本のあとがきで、内澤さんが「枯れかけの生臭さ」「老いきらない部分」と書いているのが、強く印象に残った。

▼目に見える老化がはじまったとて、人はすぐ老人になれないのです。髪は抜けてもすぐに丸禿げにはならない。静かに待つには長大すぎる時間をかけねば、皺だらけにも総白髪にもならない。こんなに長いものだとは思わなかった。
 このグロテスクとも言いたくなる長い時間、私たちは少しずつすり減る若さを、仮に捨てたくとも捨てることもできず、抱えて生きねばならない。(pp.188-189)

取材にいって、お話をうかがって、プロフィールをいただくときに歳をおっしゃらない方がときどきある。こちらも無理やりに聞き出そうと思わないし、まあだいたいのところはお話のなかで分かるものの、言を左右にしてまで年齢の話を拒む姿勢をみると、自分にそういう感覚がほとんどないこともあって、(そこまで、なんで…)と思うこともある。

以前はしょっちゅう年齢不詳といわれ、30すぎまでは年相応に見られることがまずなくて、いや、私はもうちょっと歳をくっているのですとアピールしたいほどの気持ちがあった。でも、気がついてみれば、私もちゃんと「オバハン」に見られるようになっていた。これから、皺だらけの総白髪に(あるいは薄髪に)なるまでには長ーい時間がかかるのだろう。

内澤さんの「オバハンがき」も見てみたいと思う。

(3/26了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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