読んだり、書いたり、編んだり 

眺望絶佳(中島京子)

眺望絶佳眺望絶佳
(2012/02/01)
中島京子

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図書館の新着リストで、(お、中島京子)と見つけ、こういう新しい本が珍しく空いていたので借りてきた。どんな話かな~と思ったら、いきなり東京スカイ・ツリーの手紙から始まる。中島京子が、ちょっと川上弘美風になったのだろうか、スカイツリーは誰と手紙を交わすのかと思いながら読んでいくと、あとは東京のあちこちを舞台とする短編が続く。そして、巻末にいたって、こんどは東京タワーのお手紙で、この本は終わる。

この1年の大きなニュースを思い出すようなエピソードが含まれた話もあった。もとは昨年の1月~8月に「デジタル野生時代」に書かれたものらしい。中島京子の小説は、長編か、そうでなければ短編といっても連作のシリーズものみたいなのしか読んだおぼえがなかったので、へー、こんなのも書くんやと思いながら読んだ。

どの話にも、ちくっと刺すおもしろさがあった。私が気に入ったのは「亀のギデアと土偶のふとっちょくん」と、「おさななじみ」。
東京に引っ越したマサル一家。マサルのお母さんは、何もかもが新しいマンションで「とにかく汚さないこと全般に対して神経をとがらせて」いて、お風呂など「汚すくらいなら入らないで欲しい」とマサルやお父さんに言ったりする。あー、うちの父ちゃんみたいな人(台所を汚さないために揚げ物をしないような)はほかにもいるんやなあと、物語の中の人の言動を読んで思う。実家へ行ってなにがイヤといって、父ちゃんが「汚れる汚れる」と私のまわりでうるさく言うことだ。私は「生きていれば、汚れる」と思うから、じつに考えが合わない。

そんなマサルのお母さんの話にへーと思って読んでいた「亀のギデアと土偶のふとっちょくん」は、しかし、そのあとは思いがけない展開だった。

「おさななじみ」は、中坊の片想いの恋の行方を、48歳の玲と修平のあいだの時間を描く。

(3/16了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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