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ほのさんのいのちを知って 長期脳死の愛娘とのバラ色在宅生活(西村理佐)

ほのさんのいのちを知って 長期脳死の愛娘とのバラ色在宅生活ほのさんのいのちを知って
長期脳死の愛娘とのバラ色在宅生活

(2010/01/29)
西村理佐

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秋にも読んだ『ほのさん』の本を、「おとしだま」にするため購入。そしてまた読む。図書館の本ではめくれなかった表紙カバーをとってみる。カバーで3体並んでいたマトリョーシカの小さいひとつが「ほのさん」なのは見えていたが、隣に並んでいたのは「かあさん」「とうさん」だった。帯もついていて、「臓器提供側になりうる家族をご存知ですか?」と書かれていた。

秋に読んだときには、「かあさん、ほんとに大切なのはへその緒ですか? そうですか?」というのが、もひとつわかっていなかった。

「ほのさんとかあさんを繋げる、大切な大切なへその緒が切れた」と、そのせいでほのさんの人生が試練の連続になってしまったと、かあさんは随分自分を責めもしたという。

本の最後には「いのちの誕生を思い出そう」という文章が収められている。ほのさんのいのちと向き合ってきた時間を経て、かあさんはこう書いている。

▼私は、母と子の絆が切れてしまったかのように一度は思ってしまった自分を恥じ、大切なのは「へその緒」ではなかった、帆花のいのちそのものが、私を母親にしてくれるのだ、と気づいたのだった。これが、「ほのかあさん」誕生の、ものがたり…。(p.221)
出産時にへその緒が切れて、心肺停止となり、蘇生したものの脳に大きなダメージをうけたほのさん。「大人と違い、子どもは脳死とは言いません。いのちの続く限り、元気に成長します」と主治医は告げたが、人工呼吸器をつけられ、反応もないのに、元気に成長する、その意味が、かあさんととうさんにはわからずにいた。いつかは、その機械を止めてくださいと言わなければならないとも思っていた。

けれど、ほのさんの方から心にまっすぐ飛び込んでくるような「生きる意志」を感じ、病院の先生や看護師さん、スタッフがほのさんの命を尊び、ほのさんが何を思い、どのようにしたいかと問いかける姿を見て、とうさん、かあさんは、自分たちが感じていたことは過ちだと思うようになる。

▼…あの宣告の日、ほのさんのいのちが自分たちの手の中にあると思ったこと、自分たちの判断に委ねられていると思ったことは大きな過ちであり、人のいのちは、たとえ親であってもどうこうできるものではないと思うようになった。(p.154)

でも、臓器移植法の改正論議で、脳死は一律に人の死で、本人の拒否がなければ家族の同意で臓器提供できるとするA案にふれ、もしもすでにそんな法律があったとしたらとかあさんは考える。

▼「ほのさんのような状態=人の死」というような法律がすでに存在していて、まして、自分が親として置かれいる状況、娘の状態が冷静に判断できない精神状態で、もし、我が子の状態はこのままにしていても良くならないのなら、臓器を提供することで人助けができるのであれば…と、どんどん親の気持ちは自然と臓器提供の方へ傾いていくだろう。

 時間をかけて、子どもの「生」を受け入れ、その「生」の価値と重みを感じ、「生きる意志」を感じる機会を奪われるのではないだろうか? ほのさんのように「長期脳死」で生きつづけるいのちは、「臓器移植」のために存在しているということなのか? (pp.154-155)

再び読んでも、ほのさんの「精いっぱい生きるいのち」の力を感じた。「ほのさんの生きたい!というその意志が続く限り、とうさんかあさんは、そのいのちを守っています!」(p.187)という思いと。

(1/6再読)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第42回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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